樒の葉 彼岸花をゐ抱く
樒の葉 彼岸花をゐ抱く
漆黒を纏い濡れて射る
月の兎の行水 かくも美々
水辺に霞 揺らいで有り
まっくら冥い曇り空のくま
隠せず唯魅せるだけ
蒼の風で雫拭いてあげる
事も手も出ず仰いで燻る
殻の空 クも朦朦とたなびく
酔いの月夜
隈に水源は波打つけれど
唯其れだけの関係
(寒檠 ひとりねの夜)
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