第183話  #幻想観覧車「ぽたりと落ちて消えていった」  

辛うじて逃げおおせた道程も

深緋の宵に 

一番大事な焔

灯された命はあと僅かで

悴んだ指では朱に染まるまま

小口に酒をあゝ注いで漱いで

焼かれた焔でも未だに鎖落ちずに

きつく締めた麻の紐

じゃらり、と

あっけなく わらう

キミの幻影が、あゝ


「ぽたりと落ちて消えていった」

#幻想観覧車

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