第151話 【翔】

かける


確かにココにあったんだ

この胸に この心に このお腹に


光は確かに灯っていて 

失ったのは小さな命


その世界を閉じたのは自分


だあれもいないの?

わからないの??


その蝋燭は揺らめいて

小さなお部屋に明かりはみえる


「そのしかいになにがうつる」


その瞳は私をみつけることを祈って

この胸に確かに抱いたしあわせは

いま、少しだけ覗かせて


胸の奥に小さく灯る焔は

屹度きみを導くのでしょう


大事な宝がしまわれたまま

誰かがずっと語りかけて


「その瞼を開けてごらんよ」


私を照らしてくれていたのは

あなたのほほえみだったのです


真っ暗闇に独り残されて

どうせみんないなくなってしまう


だから抱いたこの身が冷たくても

生きてゆこうと思うのです

いつかきみにあえるのでしょうから


「もう、怖くない」

  #深夜の二時間作詩


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る