第143話 【産毛】

蒲公英は人並

みに太陽を浴

びキミの白い

ワンピースは

軽く乱れて一

緒に種を吹き

靡いた黒檀の

絹糸で微笑み

はこそこそと

畔に攫われ風

と消え昏くて

ワカラナイと

息を荒げた嗄

れ聲にゆめは

うつつに取っ

て代わる。そ

の手の平は虚

ろに汗ばんで

唯独り侘しく

有る想い路傍

の雑草に見合

うキミで在れ

と願い空しく

描き消えたあ

の日の綿あめ

は宙に跳ねた

心には甘く苦

く輝き永久に

停止している。

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