第140話 木漏れ日に潤む小柄な紫陽花
木漏れ日に潤む小柄な紫陽花
段段に下る狐旦那は緩く笑み
ひとりひとりをあいしてゆく
イロを違える花花が競い合い
華経ちは仄か朱く彩憑き凍て
歩調を緩め選別せし様変わり
滴を湛えた痕底に水黽は亡く
故宮が魅せる雨音は夢現極彩
新緑に微睡む蝸牛は風と揺る
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