第139話【楽果】


【楽果】

遠く長い道を緩やかに流れる

現実は甘い飴に満ちて

夢幻の瓦礫に苛まれる

身に積まされる重圧で

大きな穴が開いて塞がりそうにない

頼る者もなく居場所だけがあり

その苦痛に倒れ込む

躰は鉛となり

足取りは無駄に奔る風のように

さよならの鐘かもしれない

誰かがわらった気がした

そんな はじまりとおわりの音色

信じてすすむ先に

終点は視選る

尽きる迄 みえる

若草は私を惑わし 

業火は私の身を砕く

もう齷齪と急くことはない

闇に向かって光は 

私の背を照らし続ける



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