第84話 【契り】


時が希望を運んできた


私は一陣の風になる

駆け巡る過去の季節を

怒りは彩られて

削ぎ落される身は

静かに流されてゆく


想いを這わせれば

待ってくれるだろうか


否頷くしかない


小さく寂れた真鍮の

逆に惹かれるときに


想い扉を開け放つ

夢の渕からお別れを


私だけが老いて

逝かれたから

親元を去る諦めと


祝福を

鮮やかな拍手

沢山の笑顔


この手を巣立つ若鳥よ

風の行方に任せるが酔い


子は自然と旅に出る

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