第63話 可愛惜しく
切って絞まった糸
侵しく括り惜しく
おかしあわせにして
のたまってたまわる
羅針儀は後悔を蹂躙された
陽は傾き陰り坐して
中核はそぞろ歩き
病的に殺伐とした輪郭は
棟に消されて閉まった
自覚の内に沈殿したまま
サヨウナラまた明日
還る事の無い本当に
真逆の転生を
彩褪せた声色は
可愛く愛おしく
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