第2話ヴァージン

日菜子「今日はここまでにしてください。私初めてなんです。はじめては、有馬温泉なんかのムードの有るホテルで迎えたいんです」

「わかりました。日菜子さんのご希望にそうようにしましょう」

「ありがとうございます」

 二人はもう一度キスをした。

輝幸「じゃあ、今度の土曜日京都にドライブしましょう、10時に迎えに来ます。

日菜子「さようなら」

輝幸「さようなら」

 日菜子は次の土曜日に着ていく服を考えた。6月下旬なので爽やかな服が良いと思った。ドライブなのでスポーティな服が良いと思った。トップスはボーダーニットにした。ボトムスは、ワンピ見えするデニムのセットアップにした。この組み合わせなら、少しおとなしめでカワイイ感が有ると思った。

 いよいよ土曜日になった。梅雨の季節にかかわらず良い天気だった。日菜子は朝からお弁当を作っていた。料理はあまり得意じゃないので、冷凍食品が多くなった。けど卵焼きは頑張って作った。

 9時50分輝幸が来た。

「ピンポーン」

「はーい、いらっしゃい、おはようございます」

「おはようございます」

 二人は部屋に入りキスをした。

輝幸「会いたかった」

日菜子「私も。お弁当作りました。あんまり自信無いけど食べてね」

「もちろん、楽しみだよ、おいしいだろうな」

輝幸「じゃあ行きましょう」

「ええ」

 二人は来た道を帰った。日菜子のマンションには7時に着いた。『王将』で夕食を食べた。ギョウザとヤキメシとレバニラをたべた。

輝幸「ギョウザは好きですか」

「大好きです」

「良かった僕もギョウザが大好きなんですよ」

日菜子「レバニラも好きスブタも好きマーボードーフも好きエビチリも大好きです」

「良く食べるんですね」

「私筋肉質の体だから、いくら食べても太らないんです」

「へーえ」

「高校時代にバレーボールをしていたんですよ、それで筋肉質の体になったんです」

「それで、気が強くなったんですね」

「また、帰りますよ」

「ごめんなさい、謝ります、許してください」

「輝幸さんのことを愛しているから許してあげる」

 二人は日菜子のマンションに入って行った。

「日菜子さん愛してます」

「私も輝幸さんを愛してます」

 二人は抱き合って口づけを交わした。

輝幸「この前の約束通り有馬温泉の有馬グランドホテルに一泊しようと思うのですが、日にちは7月13日土曜日でいいですか」

「はい、いいです。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

日菜子「あと2週間でいよいよ初体験だわ」

 7月13日土曜日、1時に輝幸の車が迎えに来た。

日菜子「こんにちは」

輝幸「じゃあ行きましょう」

日菜子「期待と不安でいっぱいです」

「だいじょうぶですよ」

 日菜子は、赤のハートネック&フレンチスリーブに白のレーススカートで特別な日への意気込みをこめた。

 車は宝塚インターチェンジから中国自動車道に入り、西宮山口ジャンクションから県道に入り、有馬温泉に着いた。

 そのまま有馬グランドホテルに着いてチェックインした。部屋は7階の723号室ダブルベッドの洋室だった。窓から有馬の町と遠くに山が見えた。

 夕食前に風呂に行くことにした。大浴場は最上階の16階に有った。部屋に帰ると輝幸が先に帰っていて、待っていてくれた。

 窓際の大きなテーブルに、料理が山盛りに並んでいた。夏なのにカニが有った。あわびも牛肉も、おいしそうな料理がてんこ盛りに有った。

 6時半に夕食が終わったので、早くかたずけに来てほしいような不思議な気分で時を待っていた。7時にかたずけに来てくれた。

 『ヤッター』あとは二人だけの世界だ。

「部屋の電気を暗くして」

 少し暗くしてくれた。ベッドの上に横になった。輝幸がゆかたを脱いで下着も脱いだ。輝幸は、次に日菜子のゆかたと下着を脱がせた。二人は抱き合った。熱いキスをした。日菜子は輝幸のされるがままになっていた。

 事は無事終わった。

「私、もうヴァージンじゃなくなったのね。初めてが輝幸さんとで良かった」

「これからも仲良くしようね」

「ウン」

「寝よう」

「ウン」

 二人は緊張の初夜をうまく乗り切った。

 翌朝は日菜子が先に目を覚ました。日菜子は輝幸を起こして求めた。日菜子はすっかり満足した。

輝幸「あのさー、二人の呼び名を決めたらどうかなと、思うんだけど」

「それは、良い考えだわ」

「ひーちゃんは、ちょっとおかしいし、ひなちゃんがいいと思うんだけど」

「そうね、それがいいわ。あなたは、てるくんかな」

「そうだね、じゃあ今からひなちゃんてるくんだ」

「てるくん、お腹空いた、朝ご飯食べにいこ」

 チェックアウト後は、温泉街をブラブラ散策した。足湯をしたり、射的、スマートボール、パチンコで遊んだ。

「ひなちゃん、そろそろ帰ろうか」

「そうねてるくん明日も早いし」

 帰りの道は『芦有ドライブウエイ』にした。

輝幸「もう、下に降りたよ。ひなちゃん晩ご飯どうする」

「私家で食べたい」

「じゃあ、途中で買って帰ろう」

 二人は西宮北口で、サンドウィッチとパンとピザと生ハムとセロリとコールスローを買った。二人は日菜子のマンションに帰った。

 部屋に入ってキスをして、そのまま二人はベッドに倒れ込んだ。服を脱ぐのも、もどかしく二人は愛し合った。

 その後

日菜子「きのうきょうと楽しかったね」

「私ヴァージンじゃなくなった。一人前の女になったんだわ」

「そうだね」

「これからもずっと一緒よ」

「ずーと一緒だよ」

「幸せだわ」

「幸せだね」

 日菜子は輝幸を信じてずっとついて行こうと思った。

「てるくんと出会えて幸せだわ」

「ひなちゃん、ひなちゃんのことは僕が一生守るからね」

「嬉しい、てるくんに一生ついて行くわ」

輝幸「二人は永遠に一緒だよ」


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