鬼頭家のバレンタイン㊥


これまでのお話〉

バレンタイン前夜。風邪っぴきの鷹史に頼まれ、忍を一晩預かる事になった鬼頭先生。お泊り初体験で、カチコチの忍の緊張をほぐしてやろうと、小2のお子様と同レベル(またはそれ以下)の会話をしかけて、ひとりで怒ったり笑ったり、自慢したりしました。


けれども些細な事で、忍の憧れるお店のディナーを食べ損ねてしまいます。ふたりして、おなかが減りましたが、鬼頭先生のほうが何かひらめいた様子です。――そんなわけで、忍を小脇に抱えたまま、『かがりスーパー』という生活必需品を取り揃えたローカル・マーケットまでやって来ました。



その⑦ 【猫にも人にもお役立ち『かがりスーパー』】


鬼 頭「悪かったって! 機嫌直せよ、忍」

しのぶ「ロイニャ……(しょんぼり)」


鬼 頭「本当悪ィ! ロイニャはまた日を改めて……」

しのぶ「あれ。どうして、かがりスーパー?」


鬼 頭「Σうお、切り替え早ぇな」

しのぶ「きとうさん、ここで買うの? なに買うの?」


▼ こどもは、スーパーが大好き


鬼 頭「まず食品売り場まわって、あれば雑貨もみる」

しのぶ「しょく、ひん? ごはん作るの?」


鬼 頭「ああ。俺、自炊はしないが出来ねぇワケじゃねぇ、――やるぞ忍っ!」

しのぶ「いいよ」


▼ まずは、食品売り場へカチコミ



ψ(*`▽´*ψ 🏁🏁🏁 - σ)✧



鬼 頭「さて、肉はどこだ?」

しのぶ「えっ。きとうさんって、もしかしてスーパーの中をしらないの?」


鬼 頭「おう、全然来ないから✧」

しのぶ「ふーん……じゃあ案内します、にくはこっちです」



🍖 (σ - σ)_(///`▽´*///))) {はい…



鬼 頭「Σちょっと待ってーッ、待て、言い訳させろ……/////」

しのぶ「どうぞ」


鬼 頭「最後に来た時と、売り場の位置がいろいろ変わってるから、だ!」

しのぶ「そうですか。それっていつですか」


鬼 頭「エー、ざっくり……十年くらい前? 知らねッ!」

しのぶ「生まれてないので、よくわからないです。ごめんなさい(小2)」




その⑧ 【お肉売り場🍖】


しのぶ「ついた」

鬼 頭「なんの肉がいいんだ、忍?」


しのぶ「ビーフ!」

鬼 頭「わかったわかった牛肉な。ステーキでいい? ハンバーグ?」


しのぶ「にくを、かんじたいです」

鬼 頭「(卑猥……)ステーキな」


藤田父「ふにゃ。お夕飯は、お肉なんだねぇ~」

しのぶ「そうだよ」



▼ ん?



しのぶ「……なんかいた」

鬼 頭「イヤ、気のせい」


藤田父「ねこみみウインナーおいし~ はふはふ」


しのぶ「ししょくコーナーに、ふじ田のおじさんいるよ」

鬼 頭「忍……あれは、かがり町の底辺だ、絶対見るな」


▼ 試食もぐもぐタイムの、底辺おじさん発見


しのぶ「ふじ――」

鬼 頭「Σさあ忍! Σ大仕事だ、おまえの好きな肉のパックを、Σこのカゴに入れろォー!」


しのぶ「ほんとうに⁉ やったあああああああああ!」

鬼 頭「え、あれ、……おま、Σ和牛とか知ってんの?」


▼ しのちゃんの、A5ゴン攻め



(🍖σ - σ)🍖≣🍖(σ - σ🍖)≣(🍖σ - σ)🍖≣🍖(σ - σ✧)


シュッ……シュッ……シュッ…… キラッ✧


Σψ(*`▽´*ψ{ちょ、まてやーーーーーー!



鬼 頭「入れすぎだっつの!(戻し&戻し)」

しのぶ「きとうさん……あと、これ」


鬼 頭「へ?」


▼ 新発売『ねこみみウインナー』


鬼 頭「エー(イヤ顔)」

しのぶ「ねこ……」


鬼 頭「コレー?(超イヤ顔)」

しのぶ「ねこがいい……」


鬼 頭「しょー~ー~ーが、ねー~ー~なァァァ!!!!」

しのぶ「やったあ、ねこ!」


藤田父「あらま。お買い上げありがとねぇ~ぼく関係ないけど」


▼ うっかり売上貢献の、藤田奇太郎(特級出禁客)


鬼 頭「ほら、他も見るから……行くぞ、忍」

しのぶ「きとうさんきとうさん。あのおじさん……ついてくるよ」



(*`▽´*)_(σ - σ)💦  (´◕ ω ◕`))) ♪



鬼 頭「あっそ。俺には視えねぇな」

しのぶ「うそじゃないのに……たか史も、おなじこと言うんだ……」


鬼 頭「……」

しのぶ「大人になると、ふじ田の家族って、見えなくなっちゃうのかな……」


藤田父「ふにゃあ!(ぐさっ)」


▼ しのちゃんは時々、無自覚に辛らつ……🎯




その⑨ 【からの、生活用品の売り場です】


鬼 頭「忍、そのマグカップでいいのか……使いづらそうじゃね、」

しのぶ「ねこだよ、しっぽが取っ手だよ!」


鬼 頭「そんなに猫好きだっけ、お前……」

しのぶ「うん。きとうさんもこれ、にあうとおもうよ」


鬼 頭「絶対要らない(真顔)」

しのぶ「!」


▼ 忍用、まんま猫の『猫マグ』お買い上げ



(*σ - σ*🐈) (*`▽´*){割るなよ




その⑩ 【忘れた頃に、チョコの壁】


鬼 頭「そうか。明日はバレンタイン……だったな」


しのぶ「そうだよ」

藤田父「そうだよぉ綺麗だねぇ」


▼ 店内ぐるっと巡って、レジ直前『催し物コーナー』



✧。[ Sweet Valentine 🎀 2.14 ]。✧


💝💝💝 💝💝💝💝 💝💝💝

💖💖💖 💟💟💟 💖💖💖

💝💝 💗💛💚 💝💝💝 💛💔


(*`▽´*)(σ - σ)  (´◕ ω ◕`) ✧



(*`▽:;.:... (σ - σ) (´◕ ω ◕`)✧



(*`:;....::;.:. :::;.. ..... Σ(σ - σ) ω ◕`)✧



鬼 頭「……いこうk 」


しのぶ「Σきとうさん、消えかけてるよ」

鬼 頭「なぜか今、鷹史と出会ってからの、走馬灯がみえた……」


しのぶ「やだよきとうさん、偲び川をまだ越えないで」

鬼 頭「ああ、ああ大丈夫だ、鬼頭さん決してモテないワケじゃねーから……」


▼ 一瞬、サラサラしただけ


鬼 頭「ちょっくら会計してくるから、忍はここで待ってな」

しのぶ「Σこ、ここ? やだ……ハートの缶だらけで、恥ずかしいよ」


鬼 頭「あそう? じゃあ、レジ抜けたところで待ってろな」


▼ 頭ぽんぽん


しのぶ「うん///」




その⑪ 【みんなのお会計¥】


▼ いらっしゃいませ(内訳)


和牛 ×3

とりささみ ×1

サニーレタス ×1

かいわれ ×1

にんじん ×1

たまねぎ ×1

セロリ ×1

ふじたのたまごパック ×1

総菜ポテトサラダ ×1

総菜チーズグラタン ×1

コンソメ ×1

グラニュー糖 ×1

ドライパセリ ×1

サラダ油 ×1

ケチャップ ×1

こびとヨーグルト ×1

おとなヨーグルト ×2

バター ×1

ステーキソース ×1

ねこねこしい牛乳1L ×2

ニャンメリー ×1

ねこみみウインナー ×1

ふじたのお米2kg ×1

コップ(ネコ) ×1 -22%

乾パン ×1

ツナの巨大缶 ×1

沁みる焼き鳥缶 ×1

レインボウくだもの缶 ×1

おじょうひんおせんべい ×1

爆量キャラメルバニラなポップコーン ×1

カレ専のど飴 ×1



鬼 頭「……ん⁉」

藤田父「ぼくポイントカードあるよ~使ってぇ」


▼ おぼえのない商品が、カゴへ混入している


鬼 頭「オイゴラキタロー、菓子と非常食いれたのテメーかっ!」

藤田父「ふにゃ、ばれた……」


鬼 頭「あっ、いつの間にか和牛も3パックになってる!」

藤田父「お米も、ふじた山で取れたものにしておいたよぉ」


鬼 頭「……」

藤田父「す、すいーとバレン、タイン(ういんく☆)」


▼ イラァ…… by鬼頭


鬼 頭「店員さんサーセン。このおっさんの貯め込んだポイント、全て使いきりマース」


藤田父「Σふにゃあ! だめ、だめぇ~!!」




その⑫ 【忍と合流しました】


しのぶ「おそかったね」

鬼 頭「ちょっとしたフジタ・トラブル」


しのぶ「あのおじさん……のど飴もって、ぜつぼうしてるよ」

鬼 頭「ほっとけ。そのうち、山ァ帰るだろ」


▼ 藤田家の住所は、かがり町『ふじた山』


鬼 頭「時間押してっから、俺らも帰るぞ」

しのぶ「うん」


鬼 頭「そこ段差。足元、気をつけろよ」

しのぶ「うん」


鬼 頭「ではふり返って、藤田のおっさんに敬礼ー」

しのぶ「さよなら」


▼ 全財産(ポイント)使わせて頂きました



↖EXIT

(σ - σ)ゞ*`▽´*)ゞ{アバヨ✧✧✧  | ω ◕`)){クスン。




その⑬ 【きとしの、鬼頭車をめざす】


▼ すっかり日も暮れて、お外が寒いので小走り


鬼 頭「忍ってー、車とか興味ある?」

しのぶ「ふつうにすき!」


鬼 頭「今ガキの普通とか、わかんねーよw」

しのぶ「パトカーすきだよ」


鬼 頭「え、マジでー? 俺、大っ嫌い」

しのぶ「かっこいいパトカー。あ、ふじ田はバキュームカーすきだよ」


鬼 頭「バキュ⁉ へ、へえー……バキュームカーとか、知ってんだ」

しのぶ「学校いくとき、たまにいる」


▼ かがり町の古い家々は、まだまだお世話になってます


しのぶ「偲び川の花火大会にも、バキュームカーがいて、ふじ田といっしょに、びっくりした」



(σ - σ)_(*`▽´*;){エッ……?



鬼 頭「Σイヤそれ給水車じゃねぇの……確かに似てるが、別物だからな」

しのぶ「みんな、バキュームカーの水飲んでた!」


鬼 頭「だから給水車――ッ」

しのぶ「バキュームカーだよ」


鬼 頭「待てよ……これ絶対、鷹史に吹き込まれてんな」

しのぶ「うん、たか史が、ゆびさして言ってた」


鬼 頭「バカじゃねーのアイツ。嘘教えんなよw」

しのぶ「Σうそなの」


鬼 頭「しょうもねーな……イヤ本気か? どっちだ?」

しのぶ「たか史、風邪だいじょうぶかな……」


鬼 頭「(バカだから)大丈夫、すぐ治る」

しのぶ「よかった」


▼ 駐車場『松雪コインパーク』まで戻ってきました




その⑭ 【出場☆はぷにんぐ!】


鬼 頭「じゃ、先に精算すっから。忍、駐車券!」

しのぶ「うん」


▼ ガサゴソ……


鬼 頭「しかし、ここも松雪系の駐車場かー」

しのぶ「……」


▼ ガサゴソ…………


鬼 頭「だんだん松雪家に侵食されていく、町だよなー」

しのぶ「……💦」


▼ ガサゴソゴソ………………


鬼 頭「アレーw やっちまったな忍くーん!」

しのぶ「うそ、うそ……!!」


鬼 頭「なさそう?」

しのぶ「ご、ごめんなさい……明るいところでさがしてきます」


▼ しのづかダッシュ


鬼 頭「Σちょっと待て、大丈夫だから」

しのぶ「ど、どうしよう、ふたりとも捕まっちゃう(?)のかな……」


鬼 頭「大丈夫、大丈夫。お前にテキトーに預けた、俺も悪ィ。……今から、ここのインフォメに電話かけっから、まず深呼吸して、ハイ落ちついて。待ってな!」


しのぶ「うん……」



ψ(*`▽´*📱){あーもしもし、客客。お宅の駐車場の利用客なんだけど、駐車券をなくしてしまいまして、どうしたらいいですかね。――あ、声でわかる? 鬼頭だよ。って何年前のハナシだよwもう精算機は壊さねーから安心しろやギャハハハ(※最低)


(σ - σ){……。


ψ(*`▽´*📱){ああなるほど、紛失ボタンってのを押せばいいんで……Σっ忍、後ろ!


≣(- _ ≣(σ - σ)≣ _ ≖){え……



▼ 闇の中から、……松雪家



鬼 頭「怖ぇーんだけどォ! いつから居たよ、松雪ども」

しのぶ「ぜんぜん気づかなかった(震)」


松雪父「……何か、困り事かな」

まつ雪「……駐車券、なくしたんじゃない」

松雪父「……ほう。それは大変だ」


▼ スッ (忍のなくした駐車券💳)


しのぶ「あれ……どうして、しんくんパパがもってるの?」

鬼 頭「ロイニャで落としてたかー」


松雪父「そろそろ必要な頃だろう、と思ってな」

まつ雪「届けに来ただけ。じゃあね、しの……」


しのぶ「ねぇ! 寒いのに、ただ届けに来てくれたの?」

まつ雪「え、まあ……そうだよ」


▼ かがり町の人々の行動は、全て把握している松雪家


鬼 頭「……お前もか?」

松雪父「今日だけは、深の我儘に付き合う約束でな」


鬼 頭「悪ィな、見返りは?」

松雪父「秩序が守られた。良しとする」


しのぶ「ありがとうしんくん! ほんとうに、ほんとうにありがとう」


▼ 手をぎゅうぅ~


まつ雪「あ……っ、いいよ別に、もう、帰るから……!」

しのぶ「しんくん、手がすごくつめたいよ……ごめんね」


まつ雪「別にいいから、は、離せよ」


▼ まつゆきダッシュ


追うしのぶ「そんな、ちゃんとお礼をさせて」

逃げまつ雪「い、いいって……、 ワ!」


……ドテ


鬼 頭「あ、転んだ」

松雪父「……また怪我か、深」


しのぶ「Σしんくん! 手、血がでてる」

鬼 頭「まじか。お医者さんに、診せてみな」


まつ雪「怪我なんか、いいよ別に……治らなくても、し、しのとの思い出になるし……」


鬼 頭「……そ、う……?」


▼ 察し


松雪父「ではこれで。良い夜を」

まつ雪「ばいばい、しの……。と、きとう」


鬼 頭「さん、つけろやガキ」

しのぶ「ありがとう、しんくんたち」


▼ 長ぁ~い車が、静かにやってきて、松雪家を乗せてゆきました


鬼 頭「……」

しのぶ「どうしたの、きとうさん」


鬼 頭「……イヤ、お前らの世代も波乱そうだな、って」

しのぶ「?」


鬼 頭「精算するか。そして鬼頭家へ、案内するぜ✧」

しのぶ「うん……(どきどき)」




💝 最終話へ、続く 💝






――以下、あとでカットするかも。






おまけ 【松雪家の、お車の中で】


まつ雪「……いいタイミングだったね」

松雪父「……」


まつ雪「ちょうどしのぶたちが、駐車場にいてよかった」

松雪父「深、」


まつ雪「うん?」

松雪父「鬼頭……さん、だ。二度は言わんぞ」


まつ雪「……はい」

松雪父「よろしい」


▼ 松雪家のしょっぱいバレンタイン(終劇)

 

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