ただのこだまのたまご祭り
前回までの、あらすじ🥚🥚🥚🥚
全かがり町、震撼!
町中を恐怖に陥れた奇病……「たまご病」ですが。着々と、たまご救いがなされています。たまごを食べて回復したこどもや、たまごもどきを食べて回復した青年が出てきました。たまご病の謎が少しずつ解明されているようです。
★ うちの忍は、オムライスが好き♡(by篠塚鷹史)
ところで。
仕掛け人の藤田ですが、眠くなってきました。
藤田が眠くなってきたので、たまご病の効力が――
「だんだん弱くなっていく」。
★★ はじめちゃん実は、たまご焼きが好き(by藤田父)
そういえば。
かがり町の上空にいる「なぞの飛行物体」ですが、……ピピピ、ピピピ……、怪電波を出しています。解読すると「たまご、たまご」です。
★★★ 目玉焼きにあう調味料といえば?
目玉焼きには塩。(by鬼頭精一郎)
先生、僕も塩です。(by森屋守護)
ふつー、醤油だろ。(by篠塚鷹史)
鷹史さん醤油派なのか……自分はソースっす!(by山形厳蔵)
そんなこんなで、ただのふじたのたまご祭り、改め真題――
『まほろば、かがり町』
はじまり、はじまり。
藤田藤田藤田 藤田藤田藤田 藤田藤田藤田 藤田藤田藤田
なのですが。今回はまるまる1エピソード「たまご病」に巻き添えくって罹ってしまった、忍たち2年1組の担任・こだま先生のお話です。
藤田藤田児玉 藤田児玉児玉 児玉児玉藤田 児玉藤田藤田
その① 【藤田の樹海のお客さん:こだまたまただ】
かがり町の記憶 『こだま先生』
かがりしょうがっこう、いちねん、いちくみの、こどもちゃんたち。
にゅうがく、おめでとうございます。
たんにんのせんせいの、こだまたまただです。
ことしと、らいねんの、にねんかん。
きみたちといっしょです。
どうぞ、よろしくおねがいし……
ふじた (小1)「わーい! わーい! ちょうちょ!」
しのづか(小1)「……」
まつゆき(小1)「……しのぶ、いっしょだ」
あおば (小1)「こだまただだだだだだせんせい!」
お~い。こどもちゃんたち、ちゅうもくちゅうもく。
せんせい、おはなししているんですからね。
ふぅ……;
ふじた (小1)「きゅうしょくまだかなー」
しのづか(小1)「……」
まつゆき(小1)「……しのぶ、いっしょだよ」
あおば (小1)「こだまただだだませんせい!」
〈こだまメモ:今年は、もの凄く手こずりそうな児童ばかり。〉
その② 【藤田の樹海のお客さん:もっとこだまたまただ】
かがり町の記憶 『もっとこだま先生』
一ねん、一くみの、こどもちゃんたち。
こんしゅうは、はじめての、じゅぎょうさんかん日があります。
おうちの人が、この、かがり小がっこ……
ふじ田 (小1)「わーい! わーい! くも大っきい!」
しのづか(小1)「……」
まつゆき(小1)「……やった。せきがえ、しののちかくだ」
あおば (小1)「こだまたまたまだせんせい!」
もしもし、お~い、お~い。
そろそろ、小がっこうにもなれてきたのですから。
おちついて、せん生のおはなしをききましょうね。
とくに、……ふじ田くん?
ふじ田 (小1)「ほえ。ぼくなにかしちゃった?」
しのづか(小1)「……」
まつゆき(小1)「しの、しの、ほうかご……ひま?」
あおば (小1)「こ・だ・ま・た・だ・た・ま・せんせい!」
ふぅ……;
じゅぎょうさんかん、というのは。
おうちの人が、きみたちのじゅぎょうたいどを見にきてくれます。
こどもちゃんたち、いつもがんばって、たのしくべんきょうをしていますね。
ふだんのがっこう生かつが、どんなのか、ぜひ見てもらいましょう。
〈こだまメモ:ひとつ説明し終わるまでが、とても大変なクラス。〉
その③ 【藤田の樹海のお客さん:さらなるこだまたまただ】
こだまメモ 『はじめての授業参観』
〈藤田一くん〉
たいへん素直だが、落ち着きがない。
たびたび教室で昆虫(?)を、飼おうとする。
先日は、机の道具箱の中。先々日は、掃除用具いれ。
〈篠塚忍くん〉
物静か。そして、元気がない。
授業参観の話題についていけない。
クラスに馴染めず、あまり友達も作れてないようだ。
〈松雪深くん〉
女子に人気。
ちょっとだけ生意気。
篠塚忍くんの気を惹きたくて、しょうがないようだ。
〈今週のこだま目標〉
授業参観の成功。
その後の、懇談会を成功させる。
そうしたら家庭訪問。
つかれそう。
ネム……(マイナスのことだまは書かない事!)
――授業参観、当日。
こだま先生「はい。お次は、まつゆきくん読んでください」
まつゆき「はい」
▼ きゃ~!(ざわつく1年1組の女子児童)
まつゆき「たまごのきみは、きみみたい。きみがだいすき、たまごもぼくも、きみがすき」
▼ はぁ……(溜息もらす1年1組の女子児童)
まつゆき「さいごにもいちど、きみがすき……」
▼ きゃ~きゃ~♡(松雪派女子による盛大な拍手)
まつゆき「!(……しの!)」
▼ 窓際席の篠塚忍を見やる、松雪深
窓の外を眺めている・しのづか「……はぁ」
まつゆき「……」
▼ 無念の着席、松雪深
こだま先生「ふぅ。お次は、そうですね……」
ふじ田「はい! せんせい」
こだま先生「はい。藤田くん」
ふじ田「ぼくひまなので、おうたをうたっていいですか!」
こだま先生「だめです」
ふじ田「おべんとおたべていいですか!」
こだま先生「だめです。そもそも持ってきちゃだめです」
ふじ田「ぼくは、なにをすればいいですか!」
こだま先生「……着席。」
ふじ田「はーい」
あおば「ふじたくーん!」
ふじ田「はーい」
――教室の後ろに並ぶ、保護者たち。
保護者・藤田父「ああ……はじめちゃん、ちゃんと先生のいうこと聞くんだよぉ!」
保護者・松雪父「まあまあ、藤田さん」
保護者・藤田父「松雪くん~、ごめんねぇ。はじめちゃん、落ち着きないんだぁ」
保護者・松雪父「……ところで。篠塚さんは来ないのか」
保護者・藤田父「ふにゃ? しのづ……ああ、篠塚さん。見てないよぉ?」
保護者・松雪父「……ふん。役目も果たせないのか」
保護者・藤田父「?」
近所の人・鬼頭「おう松雪。篠塚ですがナニカ? 代打ですがナニカ?」
保護者・松雪父「……よりにもよって、鬼頭精一郎!」
▼「氷」vs「雷」 ――保護者、バッチバチ⛄👹
こだま先生「お、お静かに~。今、授業中なのです……(汗)」
松雪父・鬼頭「――フン!!!!」
窓の外を淋しげに眺める・しのづかしのぶ「……」
〈こだまメモ:松雪くんのお父さんと、篠塚くんのお父さん?は、不仲〉
〈こだま追記:その後の懇談会では一触即発だった。こわいのです。〉
その④ 【藤田の樹海のお客さん:がんばるこだまたまただ】
かがり町の記憶 『はじめての家庭訪問』
〒 〇〇〇ー〇〇〇〇
かがり町 ふじた山
藤田 一
こだま先生「なになに。かがり町、ふじた山……あれ?」
▼ 藤田家の住所に困惑する、こだま先生
こだま先生「さぁ、家庭訪問です。今日のエリアは、松雪家、万賀家、藤田家……そして、篠塚家か。まあいいです。さくさくいきましょう~」
▼ 家庭訪問に出発!
――松雪家、済。
こだま先生「なんという豪邸か……ふぅ。さすが、かがり町の名家です……圧倒されて、思わずこんなお宝を頂戴してしまいました(汗)」
▼ 松雪家のお土産:黄金かがり羊羹(金箔入り)
――万賀家、済。
こだま先生「万賀さん、かがり天文台にお勤めだったとは……おどろきです。プラネタリウムまで見せて頂いてしまった。まあ、小学校の遠足でお世話になりますし、よき機会でした……が、噛み合わない会話。そして、聞き取れない会話。さすが、万賀くんのおうちです;」
▼ 万賀家のお土産:かがり町星座クッキー(町のゆるキャラ※かがりぃくん&しのびぃくん座もあるよ!)
――からの、藤田家。
こだま先生「……ふぅ」
▼ こだま・遭難
――翌日。
ゲッソリこだま先生「……すみません、篠塚くん」
しのづか「……」
こだま先生「き……昨日は、松雪くん、万賀くんそれから、藤田くんのおうちに行きまして、その最後に篠塚くんのお宅へとお邪魔する予定だったのですけれども、こだま先生は迷ってしまいまして……その、藤田くんの、……家? ……森? ……お山? にて」
しのづか「……」
こだま先生「篠塚くんのお父さん、だいぶお待たせしてしまいましたよね。それで改めてお日にちを、決めさせて頂きたいのですがね;」
しのづか「……がう」
こだま先生「はい?」
しのづか「Σちがう! おとうさんじゃないっ!」
▼ しのづかダッシュ
こだま先生「え? ええ~……あれ。けっこう激情する子なのか?(??)」
軽蔑のしせんを送る・まつゆき「こだま、……きらい。」
〈こだまメモ:篠塚家の家庭訪問――未完。〉
その④ 【藤田の樹海のお客さん:しあわせこだまたまただ】
こだまメモ 『二年一組』
入学式から今の今まで、いろんな事がありました。
こだませんせい、ついていけない。
二年生になっても、担任のクラスのこどもちゃんたちは、相変わらずです。
いまだに、篠塚くんの親御さんに、お会いできていない。
こまったこまった、こだまたまただ。
もうじぶんの殻に、閉じこもってしまいたい。
いつもネムそう、いつも半目、とか。
自分ではそんな事はないと思っていましたが……。
どうした事でしょう……。
こどもちゃんたちを、不安にさせているのか。
いけないいけない、またマイナス発言。
来週から忙しいです。
授業参観、懇談会そしてまた、家庭訪問。
がんばらないと………………。
▼ これを最後に、こだまメモは書かれていない
――そして現在、ふじたの洞窟。
鷹史「ひあ……っ!」
▼ ひあっ ひあ…っ ひあ……っ(洞窟内に響渡る鷹史の嬌声)
厳蔵「Σ鷹史さん、今度は何奴ですかっ⁉」
鷹史「今、なんか踏んじゃった!」
厳蔵「鷹史さん専用トラップか? けしからん、全くけしからん、危険だな~♪」
こだま先生「たま……ご……」
▼ 鷹史に勢いよく踏まれたのは、行き倒れのこだま先生
鷹史「お? 人間だ……」
厳蔵「ええと暗がりでよく見えないけど、男だな……ん?」
鷹史「何ゴンゾー」
厳蔵「あれ? あれ……もしかして」
▼ こだま先生の上半身を起こしてみる、厳蔵
厳蔵「間違いない! 昨夜の “たまご男” だ」
鷹史「知り合い? たまご?」
厳蔵「鷹史さん、彼もまたたまご病の患者ですよ」
鷹史「Σてことは、たまご病の手がかり!」
厳蔵「しかもこの男、松雪くんの通う小学校の先生ですよ」
鷹史「ま、松雪ぃ……って、深くんかぁ?」
厳蔵「そうですそうです」
鷹史「松雪……深くん……小学校……先生、=★忍★」
▼ 閃きの鷹史
厳蔵「鷹史さん?」
鷹史「Σてことは! 必然的に、うちの子のセンコーじゃん」
厳蔵「ああ。みんな同じクラスなんですね~」
鷹史「おいアンタ、しっかりしろーっ★」
▼ どつく鷹史
鷹史「お世話になってますっ! が、」
▼ こだまをぶんぶん揺さぶる鷹史
こだま先生「た、まっ こだま……ご」
鷹史「Σおおおおおうおおおおお、起きろおおおおお」
厳蔵「いや~結構あれですよ、たまご病ってやばいみたいで!」
鷹史「Σうるせぇーしのぶを返せぇぇぇ!!!! ……ううっ」
▼ 半泣きの鷹史
厳蔵「待って。ひとまず待ってください、鷹史さん」
鷹史「ううっ……しのぶ……しのぶぅぅぅ」
厳蔵「せめて、もう少し開けた場所に移動しましょう」
鷹史「うん……」
厳蔵「ね」
鷹史「でもどうすんだ? こいつ、運ぶのも一苦労……」
厳蔵「ああ大丈夫ですよ、」
▼ いとも簡単に担ぎ上げる、山形厳蔵
鷹史「Σえ。まじかゴンゾー、超男前!」
厳蔵「進みましょう。先のほうに明かりが見えます!」
▼ そしてこの先、ふじた温泉
回収された・こだま先生「たまご……」
究極ふじたのたまご祭りへ★つづく
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