最低人命軽視と公共物破壊しまくり作品賞受賞(マジ)……「コン・エアー」
――身重の妻を守るために殺人を侵してしまった元軍人のキャメロン・ポー。模範囚として服役し、ついに仮釈放が認められる事に。囚人輸送機コン・エアーに乗ったキャメロンだったが、囚人の決起により機体は占拠されしまう。持ち前の正義感から事態を解決しようと影から奔走するポーは、地上から占拠事件を押う連邦保安官のラーキンと共に、凶悪な囚人を乗せて飛ぶコン・エアーの奪還へ乗り出していく――
ニコラス・ケイジ大暴れトリロジー第二弾。監督は後に「エクスペンダブルズ2」「メカニック」を撮ったサイモン・ウェスト(ちなみに彼の監督デビュー作が今作)。主演はもちろんニコラス・ケイジだ。
キャストはとにかく濃い。悪役として登場するのはキング・オブ・悪役のジョン・マルコヴィッチ、安心の強面親父ヴィング・レイムス、マチェーテ親父ダニー・トレホ、そして我らが愛すべき「気がついたらスクリーンの中で死んでる男ナンバーワン」ことスティーブ・ブシェミ!今見ると色んな意味で豪華キャストな映画だろう。とにかく悪役が濃すぎる。
あとジョン・キューザックも出ている。
乗っ取られた囚人護送機の奪還劇と、家族との再会を胸に孤立無援で戦う男の物語であるが、ちょっとした捻りが効いているのが面白い。通信が出来ないので基本的に主人公は地上で追跡する連邦保安官たちと交信できないし、囚人の数が多すぎるので迂闊に立ち回るとエラい目に会うのでコソコソ立ち回る必要もある……という制約下での立ち回りや、いかに地上の味方と連絡を取り合うかという要素が地味に面白い。
また、前述の通り悪役たちが豪華俳優揃いでキャラがバリバリ立ちまくっているのも面白い。悪役としての威厳(強さ、恐ろしさ、傲慢さ)もちゃんと用意されているものの、機体を乗っ取ってはしゃぎまくり、せっかくの自由を手放すまいと奮闘する囚人たちは生き生きと描写されているし、「凶悪でミステリアスなシリアルキラー役のブシェミ」が本筋にあんま絡まない割にちょくちょく出番が多いのも面白い。それ故に主人公以外の正義側の人間が少し霞み気味になるのが気になる所か。
アクション描写は満足の仕上がりだ。基本的にニコラス・ケイジは武器を持たない徒手空拳での戦いがメインで、時には華麗に、時には荒々しく悪党どもをボコボコにしていくので爽快感があるし、囚人たちが武器を手に入れてからはド派手な銃撃戦が展開されていく。
そして飛行機モノと言えばド派手な墜落シーンがつきもの。今作ではコン・エアーがラスベガスを派手にぶっ壊しながら墜落するシーンが臨場感たっぷりに描かれる。破壊!爆発!大爆発!なラストシーンのカタルシスは凄いの一言だ。
また、極力CGを排して撮影されている映画なので、ミニチュア特撮や実機を中心に使用、再現できそうにない所だけCGを使うという今とは違ったタイプの「実在感」が健在で、これがまたいい味を出している。
90年代アクション映画の趣にどっぷり浸れる作品である。でもゴールデンラズベリー取った映画なんだよなコレ
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