DIYで捕虜救出に行こう……「地獄の7人」
――米軍大佐のローズは、ベトナム戦争で行方不明となった息子を終戦後も探し続けていた。息子がラオスの捕虜収容所に捕らえられている情報をついに見つけたローズは救出に乗り気でない政府をアテにせず、仲間を集めて息子の救出作戦に乗り出そうとする。訓練を重ねて現地に乗り込んだローズ一行は、ジャングル奥地の捕虜収容所を目指していく――
映画「ランボー」の監督&「若き勇者たち」の脚本家のタッグと、名優ジーン・ハックマン主演で送る戦争アクション映画だ。「ランボー2」のヒットで、ベトナムに捕らえられている捕虜のアメリカ人を救出する映画=「MIA(戦闘中行方不明者)救出ムービー」というニッチなジャンルがバカ受けしていた頃に作られた。
前半は主人公らによる調査&訓練・準備シーン、後半は現地に潜入してのドンパチパートと映画の構成はハッキリと分かれている。政府をアテにせずに自力で何とかしようと奮闘する主人公と、目的の為に集まった癖のありすぎる救出チームたちがキャラ立ちしていて面白い。
しかしそこはMIA救出映画。彼らの行動をよく思っていない政府関係者により緻密に用意した装備はすべて没収されてしまいあわや計画は破綻の危機に陥る。主人公たちの取った行動は「現地調達すりゃいいじゃん」「自分たちでどうにかすりゃいいじゃん」という極めてメタルでギアな発想!
怪しい武器商人から格安武器を買い集めて再武装して一路敵地へと向かうシーンは実にロマンにあふれており、ぶっちゃけ本編のどのシーンよりも盛り上がった気がする。何しろ、最新鋭の武器を失った彼らの選択肢は木と鉄で出来た、第二次大戦で使っていたような骨董品武器で軒並み渋いチョイス、それを調整したり修理しなおして徒歩で向かう様はカッコいいし、DIY感に溢れていてワクワクする。
アクションは当時の水準から見ても十分に派手で面白い。爆発シーンは連続するし、火薬量モリモリの銃撃戦、敵・味方問わず豪快に散って行く人々など大盤振る舞いのアクションが楽しめる。主人公らが立てた緻密な作戦が成功していくカタルシスや、訪れるピンチ等もあったりと一方的で無い展開もハラハラさせてくれる。
MIA救出映画の中でも「ランボー2」や「地獄のヒーロー」に並ぶ名作だ。
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