第23話

「翼?」



取り残された俺のところに楓が来てくれた。



「おう。置いていかれたわ(笑)」



「うん(笑)私も(笑)」



「来たことあるとこだけど、やっぱりテンションあがるよな(笑)」



「ほんとそうだよね!

あの2人には負けるけど(笑)

雰囲気が癒されるよね。」



そう言って水槽を見つめる楓の横顔を見た。



俺が守りたい、そばにいたい、そう思ってたけど、


悠真の言う通り、たしかに楓は俺のことなんてなんとも思ってなくて、


たぶんまだ元カレのことが好きで、


そう思うと、俺と一緒にいて欲しいって言うのは俺の一方通行で。



楓が1番幸せに、笑顔になる方法は、、、




「、、、楓、、、。」



「ん?なに?」



思わず声が出てしまった俺に、こっちを振り向いて笑顔で反応してくれた。



その笑顔がやっぱり可愛くて、何度でも見たい、俺が隣にいて笑顔にしたい、そう思ってしまった。




「んーんっなんでもない、お!おっきいのきた!!」



「えっどこ?ホントだ!!」




悠真がなぎさを想う愛は俺にはまだまだ難しい。



ただ、こんなにだれかと一緒にいたいと思ったのは、人生ではじめてだ。





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