第2話

「なんか今日人多くね?」


「あー、他の高校、テスト期間だったらしいよ。」


隣にいた友達がそう言った。



「あっ!!!!!!」


「なんだよおっきい声出して。いつもだったら響き渡ってるとこだぞ(笑)」



「いた。」



見つけた!楓だ。

たぶん。

雰囲気がずいぶん大人っぽくなってるけど、たぶんそうだ!!



「だれがだよ?って、おいっ!!

どこ行くんだよ!!!」



遠くで友達の声が聞こえるような気がするけど、

声かけないと!!

また見失う!!






「、、、楓?」



「えっ、、、。」



きょとんとした顔で大きいはっきりとした目が俺の目と合った。



「楓、、、だよな?」



「そう、、だけど、、、。えっと、、。」



え、まさか、こいつも俺のことわかんないのか!?



いままでずっと野球やってきて、引退してから髪をのばしてたせいか?

自動車学校にきて、高校がちがう地元の友達みんなから、すごい変わった!って言われまくっていた。




「翼だよ!」



「、、、えっ!!!」



やべっもう学科の時間だ!!



「ごめん。もう行かないとだ。」



ものすごくびっくりした顔の楓を残してそのまま教室へ向かった。



てかなにやってんだよ俺。

なに声かけにいってんだよ。


絶対声かけないと思ってたのに、、、

楓の顔見たら思わず真っ先に声をかけにいってしまった。


しかも俺のこと全然わかってなかったし。

名前言ったところで俺ってわかったのかな?


しかも名前だけ伝えただけとかなにしに声かけたんだよ。

あーーーーーーもうっ!!!





戻せるなら声かける前に戻りたい。

でも勝手に。身体が勝手に、声かけないと!って思って動いたんだよな。

自分から声かけることもいつもなかなかないのになぁ。







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