第3話
「あの、、Aのバスってどこかわかる?」
教習もおわって帰るとき、同じ学校の女の子に声をかけられた。
「あ、うん、そこまで一緒に行くよ。」
「えっ!いいの?ありがとう!」
自分が乗る帰りのバスを通り越して、その子のバスのとこまで送った。
教習中はずっとそわそわして、声をかけてしまった自分と、もともと可愛かったけど、さらに綺麗になってた楓の顔が忘れられなくて。
「お願いしまーす。」
やっと自分のバスに乗れた。
「おー!やっぱり!今日はどこまでだ?」
乗ってすぐ運転手さんの後ろに楓がいた。
楓は同じマンションだけど、いつもどこで降りてんだろ。
「んー、楓と同じとこで。」
「えっ!!!」
急に自分の名前を言われたからか、驚いて俺の方を見た。
え、まさか、また俺だってわかんなかったのか?(笑)
会った時から、びっくりした顔しか見てねーな(笑)
「翼ー!!!!」
バスの1番うしろに、中学まで一緒だった懐かしいメンバーが座っていた。
「おー!久しぶりだな!みんな全然変わってないな!」
「いやいやお前が変わりすぎな!(笑)」
「みんなに言われんだよな〜(笑)」
懐かしい話をしてる間にバスは出発した。
「ねぇ!楓もこっちきなよ!?」
後ろに乗ってた女の子が、1番前の楓に声をかけた。
「あっうん、ごめん。友達隣にいるから!」
楓の隣には見たことない女の子が座ってたから、きっと同じ高校の子なんだろう。
「そっかそっか!おっけー!」
「ねぇ!明日くる?」
楓はそのまま1番前の席でこっちを見ながらその女の子に聞いた。
「明日学科も教習もないや!」
「えー、そっかぁ。翼は?」
え!!!俺!?お、、、俺!?
え、普通に翼って言われた!!!!
「えと、明日あるよ!」
ちょっと、いや、かなり内心ドキドキしながら平然を装って答えてみる。
「そうなの!私も!じゃあ一緒だねっ!」
「おっおう。」
久しぶりに会ってはじめて無邪気な笑顔を見た。
って、なにドキっとしてんだよ。
幼なじみだぞ。
いまさらなに挙動不審な反応してんだよ俺。
バス降りたら普通に話しかけよう。
や、でもなんて声かけよう。
じゃあまた明日。が、妥当か?
1人落ち着かず、そわそわしてる間に家の近くまで着いてしまった。
「ありがとうございましたー。」
「おー!気をつけてなー!」
気さくなバスの運転手さんの声を聞いて、バスを降りた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます