第5話魔法が使えるようになりました。(アカツキ)

次の日俺様はウサロフが作ったであろう食事の匂いで目が覚めた。

「ナタス様起きましたか!ささぁお食事をしましょう!私が腕によりをかけた朝食ですよッ!」


ウサロフはそう言いながら朝食の食事を持ってきた。


「おぉすまないなウサロフ。して、この食事俺様の口に合うのか?」


「私も今お金がそこまであるわけではないので、城にいた時より質素になってしまいすが味には多少自身がありますので、美味しく召し上がられると思います。」


「そうか、では頂こう」


俺様はそういうウサロフが作った肉の塊が焼かれていた物を口の中に入れた。


「おぉ!旨いぞウサロフ!この世界に来て一番旨い食事だッ!」

俺様はそう言ってその肉の塊を食べまくっていた。だってしょうがないもん、おなか減ってるし俺様だって空腹には勝てない。


「本当ですか!?ナタス様の口にあってよかったです!今ナタス様が召し上がられている肉の塊はこの世界ではハンバーグとか呼ばれている物です。左手側にある黄色いスープがコーンスープというまろやかでハンバーグに合うスープでございましす。右手にある白い粒がたくさんある物はライスと呼ばれているものです。ほとんどの主菜に合う物です。」


ハンバーグやライスなどは前の世界でも聞いたことがない名前だ。果物屋での一件も含めて、この世界は俺様が知らない未知なる食べ物がまだまだたくさんあるわけだな。


「ところでナタス様お伺いしたいことがあるのですがよろしいですか?」


「良い。申してみよ。」


「今日は空気圧縮スライスヴィンダル死刑実行エグゼキューションを習得なさると思うのですが、その他の魔法はどうなさいますか?」


ふむ。この世界が元いた場所と魔術的原理が同じなら俺様は多分この世界の言語を覚える、平たく言えば詠唱さえできてしまえば、特に問題は無くなる。


「ウサロフ、魔法の原理は我々の世界のそれと同じなのか?」


「そうですね。ほとんどは同じなのですが、防御魔法や、強化魔法とは違くこの世界には固有魔法なるも魔法があるようです。」


「固有魔法?なんだそれは」


「例えば、私たちの世界では、空を飛べない者は強化魔法で身体を強化して飛んでいたじゃないですか、けれど、固有魔法の場合強化ではなく、空を飛ぶという魔法を自分にかけて空を飛べるようにする事ができるんですよ。」


「だが何故その魔法が固有魔法と称されているのだ?」


「一人につき1つの魔法しか使えないからですね。原理は私にも詳しくは知りませんが多分魔力量の問題で他の魔法より複雑で多くの魔力を使うからだと思いますよ。」

空を飛ぶを例にするなら、空中で浮くための魔法、移動するための魔法など様々な魔法を使うから、一度にたくさんの魔力を様々な方面に使うから、魔力が少ない者は使えないという所か。



「その魔法を習得する方法はあるのか?」


「自分で1から考えて習得するのと、他の人が作った固有魔法を伝承させて覚えるかですね。ですがものすごく魔力を使うので、この世界で15%ほどの人しか扱えないということらしいですけどね」


「なるほどな、なら固有魔法を覚えるのは後でもいいな。原理が同じというのなら話は早い。魔法を顕現させる方法を教えてくれないか?」


「その事なら心配いりませんよッ!これをどうぞ!」


そう言ってウサロフは俺様に鎌のような杖を渡してきた。


「それは魔力を流せば魔法を使う事ができる杖ですよ。詠唱も必要がありません!」


「つまり名前を言えばその魔法を使う事ができるという訳だな?」


「そうですね。庭に出て、試しに魔法を使ってみましょう!」

そう言いながら俺様達は部屋を出て、庭に行った。






「では杖を持ちながらなにか軽い魔法を使ってみてください!」


「わかった。小氷リトルアイス

そういうと杖から小さい氷が放たれた。それと同時に俺様は少し魔力を抜かれたような感覚を感じた。


「おぉ!確かに使えるぞ!だが確かに、慣れてないせいか判らないが、少し疲労感を感じるな」


「そうですね、今なら転移魔法を使う事もできるかもしれませんが、慣れてからの方がいいかもしれませんね」


「そうかなら軽い魔法から徐々に上級魔法を使えるようにしていくか」

そう言って俺様は下級魔法から上級魔法まで2時間ほど、練習していた。




「流石ですねナタス様!この2時間で、ほとんどの魔法を使う事ができたじゃないですか!」

ウサロフは笑顔でそう言ってきた。


「あぁ、だがかなり疲労するからこの杖の感覚や魔法の感覚に慣れるまでは上級魔法や詠唱が必要だった超級の魔法はあまり連発しないようにしないとな。」


まさか、物体転移アスポートまで使えるとはな。いやぁ俺様の魔術的才能高すぎてこれなら簡単にSランクまでいけるかもしれん。


「ナタス様それだけじゃなく、Aランクの敷地内で魔法がばれると捕まってしまいますよ!」

「なるほど、だから酒場の奴らは魔法を知らなかったのか。」

だがそうなると魔法を使ってはいけないかもしれなくなるのか。だが拳のみだと心細いなぁ。いやなんだったら鎌みたいな杖で切り刻んでやるか。というか何故こいつは俺様に魔法を教えたんだ?


「じゃあ何故貴様は俺様に魔法を教えたのだ?」


「ナタス様が顕現させる方法を知りたいとおっしゃったので。」

えぇぇ。コイツマジここで使えないならあんまり意味ないじゃん。まぁウダウダ考えてても仕方ないか。それより番人の事を聞こう。


「ウサロフ、貴様Sランクの番人の戦ったんだよな?そいつはどんなやつだったんだ?」


「そうですねぇ、番人の他に獣が3匹居たので、そいつらに手間取って僕はやられてしまいましたね。敵の手数多かったので仲間が居れば勝てたかもしれません。」


なるほど、確かに仲間は今後必要になってくるからもしれん。それに俺様一人で拳や杖で戦うよりも、勝つ確率もあがるしな。それに寂しくなくなるし。


「ではウサロフ、俺様と一緒にパーティを組むか?」

ウサロフはあの亀の様に裏切ることもないだろうし、なにより、知識が俺様より豊富だから今後なにかの役に立つと思う。


「すみません。お言葉は大変嬉しいのですが私はSランクの番人と戦うときに魔法がばれて隠居していますので。その代わりにこれをどうぞ!」

そう言ってウサロフは俺様にお金が入った財布を渡してきた。そうか魔法がばれたら捕まるのか、あぶねぇ忘れてたわ。うっかり魔法を使わないように気を付けよう。


「この中には4000P入っています。多分1週間位は宿で泊まって食事をする分はあると思います!」


「おお!これでしばらくは食事には困らないな、ありがとうウサロフ」


「いえ、僕が行けない分これくらいはさせてください。また町に戻るのなら、ジェークさんに挨拶したらどうですか?」


「そうだな!彼奴にも礼を言いに行かないとな。それに彼奴なら仲間を手に入れる方法を知ってるだろう。」


「そうですね!それではナタス様どうかお元気で!また遊びに来てください!」

ウサロフは笑顔で俺様に言ってきた。



「あぁ!ウサロフも達者で暮らせよ!」

そう言って俺様はジェークの下へと行った。













ウサロフの家から30分ほど歩き、俺様はジェークの酒場に着いた。そして俺は中に入りジェークを探したが見当たらなかったから聞いてみる事にした。


「そこの青年、ジェークがどこにいるか知らないか?」


「ジェークなら酒蔵にいると思うぜ!」

そう言って青年はジェークがいるであろう酒蔵を指さした。


「そうか、ありがとう」

俺様はそう言って青年が指した指の方に歩いて行った。そこに行くと、ジェークと思わしき老人がいた。


「ジェーク昨日ぶりだな」


「おぉ、ナタスか今日はどうしたのじゃ?」

ジェークは俺様に不思議そうに聞いてくる。


「あぁ、ウサロフに出会わせてくれた事の礼と聞きたいことがあってな」


「聞きたい事とはなんじゃ?」


「魔法についてもう少し知りたいからSランクの町に行きたくてな。そのために番人を倒さなきゃいけないのだ。」


「そうじゃな、Sランクの町に行けば、魔法を学べるしのう」


「そして、番人を倒すためには俺様だけじゃ手が足りない。だから仲間を手に入れる方法を教えてくれないか。」


「それなら、入口付近にある掲示板で募集してみるのはどうじゃ?」

なるほど、確かにそれなら、人が集まるな。


「それはいい考えだなジェーク!早速書いて、掲示板に貼ってくるぞ!」

俺様はそう言って酒場のカウンターにある受け付きに行き、掲示板に貼る紙をもらい、空いている席に腰を下ろした。


「ふーむこれは何をかけばいいんだ?」

仲間の募集という事だからまずは人数か。まぁ別に一人居れば特に問題ないか。

後は、強くなくても大丈夫だから戦える人で、男女は別に特にないな。性別で決めるのはあまりよろしくないしな。後はSランクに上がるのが俺様の最終目標ではないし、番人ごとに人を変えるのも嫌だから目標は魔王討伐にするか。



「          魔王討伐メンバー募集中ッ!      

 


 俺様と一緒に魔王討伐してくれる人を募集している!

まずはSランクに上がりたいから、Sランクの番人を倒す!

男女関係なく、魔法が使えなかったり力なかったりしても大丈夫ッ!

興味がある人は声をかけてくれ!

                               Byナタス」



ようし、無難にこんな感じでいいだろう。文字も多分あっているだろうし、後は貼って明日見にいけばいいか。俺は掲示板に貼った後、酒場で飯を注文し、食べた後、外はもう暗くなっており酒場近くの宿を取り、そこで1泊し朝を迎えた。







朝、俺は起きて、身支度を済まして、ジェークの酒場に向かった。


「おぉ!ナタスか!ちょうどいいところにきたわい。お前さんにお客さんが来てるぞー」

そう言ってジェークは掲示板近くの席を指さした。


そこには、髪が銀色で弓を携えた女が座っていた。






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