第6話 尾行

茜と唯が買い物に出かけた。しかし、あんな美少女2人が歩いていたらナンパなどがあるだろう。その為俺は、”認識阻害"を作り尾行することにした。


「認識阻害」と唱えたが自分が本当に認識されていないか分からない。

「これ、ちゃんと始動している?」

「まぁ良い。そろそろ行くか」と言い家を出た。


「唯たちは今どこにいるかなぁ?」と探していると唯の背中が見えた。

今のところ変な輩に絡まれて無いようだ。


そして、2人は大型ショッピングセンターに入って行った。

2人は下着売り場に行った。

(なるほど。俺がダメって言われたのはこの事か!)と分かった。

けど、唯の下着を買うのに付き合わされたことがある。

その時は、お客さんの目線が痛かった。


話は変わるが、ちゃんと認識阻害は作動しているようだ。


「おっ出て来た。」


唯side

「茜ちゃんは可愛いのが良いんじゃ無いかなぁ」

私から見ると茜ちゃんは自分の妹のように思っていて将来、本当に妹になるかもと考えたら恥ずかしくなる。


でも、私は雄くんと下着を買いに来たことがある。

あの時は、ピンク色の下着で今でも大切に使っている。


でも、今は少し不安な点がある。

それは、ナンパだ。

何故か男に人に声を掛けられることがあり、雄くんと来ているのに「こんな男じゃ釣り合わないよ」と言われるたび頭にくる。


私にとっての雄くんは生きている証。でも私が彼にしてあげるのはそばにいてあげることしかできない。こんな私が醜い。雄くんはいつも守ってくれるのに私は何もできていない。でも、彼を失ったら私は生きることが嫌になると思う。彼のいない世界はいらない。中学生時代に付き合ってそのままゴールインする確率は非常に低い。私が知っている中では1人しか知らない。彼は私のことをどう思っているのかが知りたい。もしかしたら、彼にとって私は邪魔なだけかもしれない。いつも笑顔の彼の心では他の子を想っているのかもしれない。でも、別れ話がきたとしたら生きて行く自信がなくなる。私は独占欲が強い。嫉妬もする。そんな私を彼は好きでいてくれているかわからない。



雄二視点

「おっと。あいつら唯と茜狙いか?」と思ったがその通りだった。


「君たち可愛いね。高校生?それとも中学生?どっちでもいいから俺たちに付き合ってよ。いい思いすると思うよ。」と無駄にイケメンな奴が言った。


そして俺は、認識阻害を解いた。

「この2人は俺の女なのでご心配無く」と止めに入った。


「雄くん!」「お兄ちゃん!」


「はっ?お前に声をかけたんじゃねぇんだよ。ガキは引っ込んでろ。」

「お前の方がガキだろう。いい女がいたからってむやみに声をかけていいもんじゃねぇだろ」とキレ気味で言った。我ながら年上に凄い口の利き方をしたなと思った。

周りは、俺たちの方を見ている。


「おい!お前何様だ。俺が誰なのか知らないのか!?」

「知らん」の一言。念の為ステータスを確認してみた。

松本健二 20歳

体力 100

筋力 400

脚力 100

知力 100

称号 残念イケメン


可哀想だと心から思った。まさかの称号が”残念イケメン”


「すみませんが、私たちは急いでますので」と言い茜と唯を抱き抱えると脚力をフル活用し、全力で走った。


「おおおお兄ちゃん!?」「ゆゆゆ雄くん!?」

と聞こえた為俺は止まった。


「助けてくれてありがとう。このお礼はいつかするね」

「お兄ちゃんありがとう!」


「気にせんでいいよ。2人が無事で良かった...」


「けど、1つ聞いて良い?いつから私たちの近くにいたの?」と聞かれた。

誤魔化す訳もいかず正直に話した。


「最初から。心配だったから尾行してきた。すまん。」と謝った。


「別に良いよ。助けてくれてありがとう!今度は一緒に買い物に来ようね!」


「あぁ」と返事をし、家路を辿った。



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