第3話 お医者さんごっこ?

「よろしくお願いいたします」俺は神妙な風に言っただろう。


「はい! よろしくね☆」

 いやいや、まさかこの日が来るとは。

 しかし、どうしてお医者さんの前でお医者さんごっこをヤンデレナースとすることになったんだろう?

 まあ、いっか☆

 しかし、さっきからヤンデレナースが包丁片手なのは怖いんだけどね?

 あ、わかった。俺は事が済んだらひと刺しなんだな。

 ふっ、それもよいだろう。

 カモン‼️

 俺の春‼️


「痛いところはないですか~☆」


 ん?

 聴診器を俺の胸に当てる仕草をしているヤンデレナース。


 ヤバい、興奮してきた!


「お熱はないですか~☆」

 ん? 顔と顔が近い!

 今か! 今なのか?


「異常はないようですね☆ 診察は終わりです☆」


「え?」


「え?」


「え?」


 その場に居る俺を始めとする三人全員の空気感が噛み合わなかった。


「あの、すみません? お医者さんごっこは?」俺は聞いてみる。


「え、だからお医者さんごっこだよ?」


 本当に、ごっこ、だった。


 ちくしょう‼️

 時間をムダにしたぜ‼️

 てか!

 医者ああああああああああああああああ!

 笑ってんじゃねぇよ!


「帰ります……」俺は肩をガックリ落としていた。


「治療代はタダだからね☆」


「また、来なさい」医者が真顔でそう言った。


「はい、そうします……」

 あれ? なんでそう答えたんだろう、俺?


「お疲れ様です、お会計は960円です」受付のおばちゃんにしっかりと金を請求された。


 なんだ、このクリニック?


 あれ? でも、ちょっとマシになったような?



(続く)

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