第32話 闇の男

 それは、高校生活が始まって初日の事だった。彼は本屋へ寄った帰り、ガラの悪い二人組に絡まれた。


「おい坊主、お兄ちゃんにお恵みしてくんない?」


「財布全部置いていけば、痛い目に合わなくて済むよ~」


 周りに助けを求めたが、誰も関わろうとはしなかった。関わったら自分がひどい目に合うと察したからだ。


「おい‼早く金出せや‼俺らは気が短いんだ」


 二人組の一人が、腕を鳴らしながら彼に近付いた。その時、彼は無意識に手を開き、力を込めた。すると、手のひらに黒い塊が生まれた。それを見て、二人組は悲鳴を上げた。


「うわっ‼」


「なんじゃこりゃ!?」


 彼はその黒い塊を、二人に向けて投げた。黒い塊はしばらくし、大きくなった。


「うわあああああああああああああああああああ‼」


 大きくなった塊にぶつかり、二人は遠くへぶっ飛ばされた。今まで、自分にこんな力があった事を、彼、夜月夕は知らなかった。


 それから、夕は人と接したら傷つけるかもしれない。またあの力が出るかもしれないと思い、家から外に出なくなった。




 三刃達のクラスでは、宿泊訓練の班決めが行われていた。


「頼む~頼みますから白雪さんと一緒の班になれますように~」


 宇野沢は拝みながら呟いていた。他の男子も宇野沢と同じように手を拝み、姫乃の名前を呼んでいた。それを見ていた三刃は心の中で「こいつら、姫乃の本性を知ったらショック死するだろうな」と呟いた。


「では班決めを始めるぞ」


 先生の言葉を聞き、生徒たちは一斉に顔を上げた。班決めはくじ引きで決めることになっている。くじに書かれた番号がその班になるのだ。三刃はくじを引き、すぐに広げた。


「僕は3班です」


「護天は3班だな」


 先生は3班の所に三刃の名前を書いた。それから、続々とくじが引かれて行った。


「次、陽城」


「はい‼」


 光賀は箱の中に手を突っ込み、手探りでくじを探した。そして、一枚のくじを引き上げた。


「俺は……3班です‼」


「陽城は3班か」


「三刃、一緒の班だな」


「ああ。よろしくな」


 三刃と光賀は話を始めたが、横から服部が顔を出した。


「私の事も忘れるな。私もお前達と同じ3班だからな」


 服部は手にしたくじを二人に見せてこう言った。その時、男子たちがざわついた。


「おい、次白雪さんだぞ」


「残ってるのは1班と3班か。いいなー」


「頼みます、1班に来てください」


 姫乃はくじを引き、くじに書かれた番号を先生に伝えた。


「私は3班です」


 この瞬間、三刃と光賀は男子たちの殺意がこもった視線を感じた。




「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼お前羨ましいよ‼」


 班決めが終わった直後、宇野沢や他の男子が三刃に駆け寄った。


「頼むからさー、班変わってくんない?」


「一生のお願い!」


「エロ本貸すからさー」


「なんかおごるよ」


「ダメだ。先生が言ったろ、班が決まった後で文句言うなって」


 そう言って、三刃は教室から出て行った。男子から血のない男とか、エロ眼鏡とか、むっつり三刃とか罵倒されたが、すべて無視した。教室から出て少し歩くと、光賀が待っていた。


「三刃、話したいことがあるんだ。帰りに湯出さんの店で待っていてくれ。大切な話がある」


 いつもより真剣な目をしている光賀を見て、三刃は分かったと返事をした。




 同時刻、三刃達の担任は宿泊訓練の班の表を見て、うなりをあげていた。それを見た別の先生が話しかけてきた。


「どうかしたんですか?」


「実はな、一人不登校の生徒がいるんだ。こっちから連絡しても、返事が来ないんだ」


「大変ですね……」


「一応彼が参加する可能性もあるとみて、班を決めたんだが、来てくれるかどうか……」


「どの子なんですか?」


 別の先生は表を見ながら、こう聞いた。


「夜月夕だ。3班の所に名前が書いてあるだろう」




 放課後、三刃は湯出宝石店へ来ていた。宝石店には光賀の他にも、輝海がいた。


「輝海さん」


「待ってたよ。とりあえず中に入ろう」


 三刃達は結社の休憩室に入り、話を始めた。


「三刃……実は」


「輝海さん、俺から話します」


 光賀は咳払いした後、話を始めた。


「三刃、俺がここに来たのは理由がある」


「理由?」


「ああ。俺は闇属性の魔法使いを探しに、ここに来たんだ」


「闇……」


「おっと、勘違いするなよ。闇属性だからってかなり悪い奴ではない……と思う」


「思うってどういうことだ?」


「まだどういう奴なのか、分からないのだ」


「でも、この町にいるのは確定なんだろ?」


「ああ。お前も気を付けてくれ。相手がどんな奴なのか分からない。味方になるかもしれないし、もしかしたら悪者かもしれない。光と闇は普通の魔法ではないからな。いくらお前が強くても、闇の前では風は無意味かもしれんからな。それに……闇を倒せるのは対となる光だけだ」


「……分かった。もし戦うとなったら、お前を呼べばいいんだな」


「そうだ。大丈夫だ、すぐに飛んでくるからな」


「三刃君、この事は姫乃や翡翠ちゃん、服部達にも伝えてくれ」


「分かりました」


 話が終わり、三刃は帰ろうとしたが、何かを思い出したのか、光賀が声を出した。


「そうだった‼おい三刃、夜月夕って誰だ?なんだかんだで俺らと同じ班になった奴」


「夜月……あー。いたっけな」


「いたっけなって……」


「実はあいつ、初日以降登校してないんだよ」


「不登校か……」


 光賀は少し考えた後、何かひらめいたのか、手を叩いた。


「夜月夕の家って知ってるか?」


「知らないけど……お前もしかして」


「直接行って話をしよう!学校へ戻って、先生から話を聞こう!」


 その後、光賀は走って去って行った。三刃も後を追うように慌てて走って行った。去っていく二人を見て、輝海は呟いた。


「忙しい奴らだな」




 その後、三刃と光賀は夕が住んでいるというアパートに来ていた。


「まさか、先生から夕に出てくれって伝えるの、頼まれるとは思いもしなかった」


「俺はこうなるとは思っていた。とりあえず管理人さんに話をしよう」


 三刃と光賀は管理人に話を伝え、夕の部屋を教えてもらった。二人は部屋の前に行き、チャイムを押した。


「どうもー。同じクラスの護天といいますが……」


「誰かいますかー?」


 二人が玄関の前で挨拶をしたが、中から物音はしなかった。


「誰もいないのか?」


「管理人さんは誰かしらいると思うって言ったけど」


「いったん戻るか?」


「いないんならしょうがない」


 二人が帰ろうとした、その時だった。玄関の開く音が聞こえたのだ。二人が後ろを振り向くと、小柄の少年が姿を見せていた。


「あの……同じクラスの人ですか?」


 この言葉を聞き、二人はこの少年が夕ということを察した。


 その後、二人は部屋の中に入り、夕と話を始めた。


「改めてと、僕は護天三刃」


「俺は陽城光賀。最近引っ越してきたばかりだ」


「で……何の用ですか?」


 夕にこう言われ、三刃は言葉を詰まらせたが、光賀が返事を返した。


「今度の宿泊訓練、俺達は一緒の班になった」


「……だから?」


「だからって、その時はよろしくなって話だ」


「……僕は出ない。だって、人を傷つけるかもしれないから」


「人を傷つける?どうしてだ?」


 三刃がこう言うと、夕は怯えながら答えた。


「あの時、僕の手から変な黒い物体が生まれたんだ。それが急に動いて、破裂した。僕にはあれが止められなかった……だからもし、またあれが発生したら今度こそ死人が出るかもしれない……」


 話を聞いた光賀は立ち上がり、夕に近付いた。


「その話は本当か?」


「……本当だよ」


「ならその黒い物体を出してみろ。今、ここで」


 三刃は止めようとしたのだが、光賀は小声で大丈夫だと伝えた。


「嫌だ、そんなことしたら君達が……」


「大丈夫だ‼俺はその物体の正体を知っている!それに対する処理の方法を知っている‼」


「分かった……その言葉を信じるよ」


 夕は左の手のひらに念を込めるように力を入れた。その瞬間、黒い物体が発生し、小さく渦を巻いた。


「ここまでだ」


 光賀が夕の左の手首を掴んだ。それと同時に、黒い物体は小さくなり、消滅した。


「な……なんだ今のは」


「三刃、今のが闇属性の魔法だ」


「今のが……あの黒い物体が……」


 三刃はぽかんとし、夕を見ていた。


「……やっぱり、怖いって思うよね」


 夕はぼーっとする三刃にこう言ったが、声をかけられて我に戻った三刃はこう返事を返した。


「大丈夫だよ。僕も同じような力持ってるから。闇や光じゃなくて風だけど」


「風?」


 三刃は右手の人差し指に、小さなつむじ風を発生させた。


「僕以外にも、同じ力を持った奴はたくさんいる。君だけじゃないさ」


「もしかして、クラスの中にも……」


「二人いる。二人ともいい奴だから、きっと打ち解けるさ」


「……」


 不安そうな顔をしている夕を見て、光賀はこう言った。


「不安な気持ちは分かるが、このままだと、お前一人ぼっちになるぞ」


「……一人……」


「一人で生きるなんて、絶対無理だと思う。人は人に助けられないと生きていけないぞ」


「……考えてみる。宿泊訓練の前には……答えを出す」


「分かった。三刃、帰ろう」


「ああ、分かった」


 三刃と光賀は、部屋から出て行った。




 帰り道の中、三刃は光賀と話をしていた。


「夕、来ると思うか?」


「俺は来ると思う。あの時の目を見たか?決心したって目だ」


「目で分かるもんなのか?」


「大体な」


「大体かよ」


 話をする中、上空を飛ぶモンスターを見つけた。


「全く、話す暇もないな」


「その通りだ。行くぞ‼」


 二人は人通りの少ない場所へ行き、武器を装備した。


「空を飛ぶ奴だな。どう対処しようか」


「俺が光の矢を作ってあいつに向けて放つ。倒したらそれでいいが、まだ生きてたら止めを頼む」


「了解。じゃあ僕はあいつの近くに行ってくる」


「怪我するなよ」


 三刃は壁から身を出し、モンスターに接近していった。モンスターは接近してくる三刃に気付き、大きく翼を動かし、近付いてきた。三刃は後ろを振り向き、光賀が光の矢を作り出したことを確認した。三刃は剣を振り上げ、モンスターの隙を作った。


「ナイスだ三刃‼」


 光賀は叫びと共に、光の矢を放った。矢はモンスターに命中した。モンスターは苦しそうに叫んだあと、破裂した。


「何とかなったな」


「ニ対一だったしな。こーだったら俺ら二人だけでも後々やれるんじゃね?」


「こら、調子いいこと言わない」


 姫乃は光賀の頭を叩き、こう言った。


「姫乃、お前いつの間に来たんだよ」


「ついさっきよ。出番なかったようね」


 姫乃は武器をしまい、三刃に近付いた。


「今までどこ行ってたの?翡翠ちゃんからなんも連絡がないってラインが来てたから、探してたのよ」


 三刃はゲッと小声で言った後、携帯を調べた。


「やべ、全然気が付かなかった」


「もう。重要な連絡があるかもしれないから、携帯は常にマナー解除しておいてね」


「悪い悪い」


「本当に反省してる?」


「してるって……」


 三刃は携帯を見ながら、姫乃の返事に答えていた。この様子を見ていた光賀は三刃にこう聞いた。


「お前、姫乃と仲いいんだな」


「そう見えるのか?」


「他人から見たら、お前らカップルのようだぞ」


 光賀にこう言われ、二人の顔が真っ赤になった。


「いっそのこと、付き合ったら?」


「「断固反対‼」」


 後ろにいた凛子と凛音が大声でこう言った。


「あんなスケベ野郎が義理の兄になるなんて、絶対に嫌だ‼」


「初夜を邪魔してやるわ……」


「うわっ!君達も来てたのかよ‼」


 驚いた光賀は、後ろに下がった。


「相変わらず毒を放つな」


「お前には毒で十分よ‼」


「このポイズンシスターズが……」


「なんか言った?」


「言ってません」


「聞こえたわよ。ポイズンシスターズって」


「誰がポイズンシスターズよ‼」


 その後、口喧嘩をする三刃と凛子を無視し、姫乃は光賀にこう聞いた。


「二人とも、どこ行ってたの?」


「夕の所だ」


「夕って……不登校の……」


「ああ。宿泊訓練について話をしに行ったんだ。話はしたけど、まさかあいつが闇の魔法使いだったなんてな~」


「待って、闇の魔法使いって何?ちゃんと話して」


「分かった」


 光賀は、姫乃に先ほどの事をすべて話した。話を聞き終え、姫乃は呟いた。


「夕君が闇の魔法使いだったなんてね……」


「本人がそのことを知ったのは、最近らしい。まだうまく魔法も使えない」


「そう。で、私や服部さん、結社の事は伝えた?」


「姫乃と茉奈の事は話したけど、結社の事は忘れてた」


「結社の話は重要だと思うけど……ま、それはいずれ話しましょう」


「とりあえず、まずは宿泊訓練だよな!」


「来るかどうか分からないでしょ。当日まで待ちましょ。凛子、凛音。帰るわよ」


「「はーい」」


 三刃にプロレス技をかけていた凛子と凛音は、姫乃の元へ集まり、去って行った。光賀はボロボロになった三刃に近付き、声をかけた。


「生きてるか?」


「何とか」




 その頃、翡翠は湯出宝石店の地下で修行をしていた。


「はい、そこまで」


 湯出の声を聞き、翡翠は武器をしまってトレーニング室から出た。


「大分動きがよくなってきたね。武器の扱いも上手くなってきた」


「ありがとうございます」


「あとはどの状況で、どの武器を使うかの判断を早く決めること。まだ銃で行くか剣で行くか迷ってる部分があるから、その辺を注意してね」


「分かりました。じゃあ私、シャワー浴びて帰ります」


「うん。ゆっくりしていってね」


 その時、湯出の携帯が鳴った。湯出は翡翠にごめんと言った後、携帯に出た。


「もしもし湯出です。どうかしましたか輝海先輩」


『湯出、三刃君たちの宿泊訓練の行き先って覚えているか?』


「えっと……確か富士の方って聞きましたね」


『まずいな。先ほど富士の方に魔法犯罪者が出たって話だ』


「本当ですか?で、情報は?」


『名前は宮崎正雄。属性は水。武器は所持していないが、奴はモンスターを操る事が出来る』


「そいつが富士の方に潜んでいるんですか」


『ああ。しかも目撃した場所が三刃君たちの宿泊訓練場所の近くだ。俺から連絡したいが、奴を追うのが手一杯で、連絡が出来ない。お前から連絡してくれないか?』


「分かりました」


『すまない。じゃあなんかあったら連絡する』


「了解」


 会話後、湯出は急いで三刃に連絡しようとしたが、シャワーを浴びた翡翠が声をかけた。


「私がお兄ちゃんに言っときましょうか?」


「大丈夫だ。僕の方からやっておくよ」


「お兄ちゃん、大丈夫かな……」


 翡翠の呟きを聞き、湯出はこう言った。


「確かに、三刃君がこの話聞いたら宮崎と戦いそう」


「そうですけど……無茶して姫乃さんに迷惑をかけそう」


「あ、そっちなんだ」


 湯出は苦笑いでこう言った。




 次の日、三刃と姫乃、服部と茉奈は屋上にいた。


「昨日、湯出さんから魔法犯罪者の話を聞いた」


「何だって!どこにいるんだ!?」


 光賀の質問に、三刃は溜息と共に答えた。


「宿泊訓練の場所の近く」


「……もしかしたら、私達と戦うかもしれないわね」


「戦うとしたら夜……か。忍者の出番だな」


「楽しみにしているのに……邪魔したらぶっ飛ばしてやる‼」


 光賀が闘志の炎を燃やしている中、姫乃が声をかけた。


「夕君はどうなってるの?」


「連絡来てないけど」


「というか、あいつ携帯持ってないぞ」


 姫乃は溜息を吐き、呟いた。


「今度の宿泊訓練、無事に終わるといいけど……」


 それから数日後、宿泊訓練当日の日になった。三刃は大きなリュックを背負いながら、翡翠に話をしていた。


「3日間、僕たちがいない間この町を守ってくれよ」


「分かってるわ」


「それと、イギリスから魔法使いが来るらしいけど、変なこと言うなよ、されても反撃するなよ」


「分かってるって。私達の事は心配しなくてもいいわよ」


「なんかあったら、湯出さんや輝海さんに頼れよ。じゃ、行ってくる」


 そう言って、三刃は外に出て行った。学校へ着き、自分のクラスの集合場所に向かった三刃は、姫乃か光賀の姿を探した。


「あいつら、どこ行ったんだ?」


「おーい、三刃ー‼」


 光賀と宇野沢が走りながら三刃に近付いた。


「やっとこの日が来たな‼」


「わくわくが止まらねーぞ‼」


「はしゃぎすぎるなよ。特にお前ら二人。テンション上げていくと後で疲れるぞ」


 ハイテンションの二人にこう言った後、三刃は周囲を見回した。


「夕がいないな……」


「夕を探しているのか?」


 光賀がこう言うと、自分の後ろの方を指さした。そこには、おどおどしている夕の姿が見えた。


「夕、来たのか」


「う……うん」


「しっかし、お前らスゲーな。引きこもりの夕を連れ出すなんて」


「俺の話術が上手くいったんだろう。な?」


 光賀がこう言うと、三刃はそうだなと返事をした。その後、小声で夕にこう言った。


「魔法の事は、皆には内緒な」


「うん」


 その直後、小さな玉のようなものが、夕の足の近くに転がってきた。


「何これ?」


「ヤベッ‼」


 三刃は急いで小さな玉を掴み、人気の少ない場所へ投げた。地面にぶつかったと同時に弾は破裂し、煙が舞った。


「私の登場の邪魔をするな‼」


 怒りながら、服部が現れた。


「茉奈、怒るんじゃない。あの登場の仕方だと、皆に被害が喰らうぞ」


 夕は恐る恐る、三刃にこう聞いた。


「あの人、忍者なの?」


「ああ。ちなみに魔法使いな」


「忍者で魔法使いって……」


「混乱するよな。とりあえず、僕達と同じって考えでいい」


 数分後、姫乃が荷物を持ってやってきた。


「これで3班は全員揃ったわね」


 姫乃は三刃、宇野沢、服部、光賀、夕を見回してこう言った。


「じゃ、全員そろったことだし、バスに乗るか」


「始まるな、宿泊訓練‼」


 光賀は笑顔で、夕にこう言った。夕は少しおどおどしていたが、光賀は夕にこう言葉をかけた。


「俺達がフォローをする。だから、安心しろ」


「……うん」


「よし!じゃあ乗るぞ‼」


 光賀の掛け声の後、三刃達はバスに乗り込んだ。

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