愛さずにいられない
「──じゃあいいわね? 入れるよ……」
「あ……あま、天音さん……! こ、こんなコトやっぱり僕……」
「大丈夫、痛くしないから。力を抜いて……」
ぽちゅ。
「はぅ……っ!」
咲耶はおかしな声をあげたけど、私の人差し指に乗せたコンタクトレンズは見事彼の眼球に吸いついた。
「ほら。目、開けてみなよ」
私に促され、彼がそろそろと閉じていた瞼を開けると。
(え……っ!?)
そこにはキョトンとしながらも、やけに甘いマスクのイケメンがいる。
「わあ……! コンタクトってこんなに良く見えるんですね」
ちょっと待って。見えるとこんなに目、ぱっちりするの?
「すごいです天音さん。なんかこう、世界が開けた気がしますー」
笑うとなんだか可愛い。おまけに最近姿勢もいいし。
……はっ!
今気づいたけど、こんな長身で可愛いオトコ、彼女の私がオシャレ男子にして野に放ってどうすんのよ!
「やっぱダメー! あんたはビン底メガネのままでいい!」
「ええっ? な、なんでですか。……うわっ!?」
コンタクトをしたままの目元に、私はメガネを無理やり引っ掛けてやった。
「天音さーん……これじゃダブル矯正でなんにも見えないです……」
「うるさい。ダメったらダメなの」
「定期解約して買ったんですよ? 勿体ない……」
「そこまで高くないし。もっかい定期預金してきなさいよ」
「……なんか怒ってます?」
「怒ってない。あんたが悪いの」
「天音さーん……?」
私のカレは都市伝説。
関わったら最後、その優しさと可愛さで愛さずにはいられません。
信じるか信じないかは……アナタ次第です♪
【都市伝説☆カレシ おしまい】
都市伝説☆カレシ 満月 兎の助 @karinto
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます