第2話 使い魔バトル!!

相手の使い魔は鷹で、僕の使い魔はヒョロっちいのと目をつけられたくないから現実逃避していたが、やはりドラゴンみたいだ。使い魔には様々な能力があり、僕のはドラゴンだから炎のひとつでも吐けるだろうと思い命令してみた。

「いけっ!! 焼き鳥にしちまえ」

気だるそうなドラゴンはピクリとも動かなかった。

「折角のドラゴンなのに雑魚かぁ?」

チャンスと見た敵はすかさず距離を詰めてきて、爪でガシガシと攻撃された。

「突風でも出せないもんかなぁ」

と、どうやら相手も探り探りやっているみたいだった。その隙に鷹から少し距離をとった。自分の使い魔の体力のゲージが自分には見えているのだがあんなテキトーな攻撃でかなり減っていた、具体的には半分くらい。ふとドラゴンを見ると怒っているように見えた。こんなにも殺気立って、やる気になったこいつなら行けると思い祈るように指示を出した。

(ブレスを吐いてくれ!!)

ドラゴンは大きく口を開け......

『グァウゥ』

咆哮した。涙が出そうだった。祈りまでした僕の命令は呆気なく無視されたのである。

「ぶっ飛ばしてやる」

思い切りスピードを付けた鷹が突っ込んできた。とてもまずい。さっきの攻撃でも大きなダメージを負ったのにこんな攻撃当たればKO間違いなしだ。

「やばい、は、叩き落とせ」

ドラゴンは一度身を縮めて力を込めるようにした後、尾で鷹を薙ぎ払いにかかった。

「危ねぇっ!!なっ」

直撃しなかったがどこかにかすったようで、鷹は大きくドラゴンから距離をとった。どうやら相手もダメージが大きかったのだろう、と思いたい。

「どっちも次で止めってとこかぁ?」

と、突然話しかけられたが残念ながら僕に言葉を返している余裕は無かった。互いにここだと決め、突っ込んだタイミングが重なり、激突する寸前、ゴリラのような担任......もとい、担任のようなゴリラの鉄拳制裁が入り鷹がKO、担任本人により僕がKOされ、それは、それは無事に入学式は終わった。

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