僕の使い魔はっ!!

座布団

第1話 平和な入学式

入学式、普通の学校ならすぐに終わるし、それほどワクワクすることも無い、ただスタートを切るだけの式だ。しかし、この天代学園では違い、この学園の目玉 使い魔を使ったバトル、そのための使い魔の召喚が行われるところで、新入生のほぼ全員がソワソワし自分の使い魔を見るのを楽しみにしていた。

そんな中ただ1人、この世の終わりのような表情をした男がいた。

「次、和傘玄信」

坊主のいかつい担任に名前を呼ばれ、僕は返事をする。

「はぁい」

この学園では試験の点数で使い魔のステータスや能力に差が出るためテストの点数が重要であり、入学試験の結果もしっかりと張り出された。

僕はドベだった。

点数で召喚する使い魔に差は出ないと言って気がするが、さすがにドベなら小動物や魚類、最悪虫が出てくるレベルだと思う。僕は心の底から祈り、叫んだ。

「せめて猫!! 僕は断じて犬派じゃないっ!!」


そこにはドラゴンがいた。あれ?夢かなと、全身の感覚が変になった時、理解した。

「なるほど、うなぎね」

声を出し、少しだけ落ち着くとザワついてたはずの周りがとても静かになっていた。僕は入学式から目立つ訳にはいくまいと、クラスメイトになる周りのみんなに声をかけた。

「う、うるさかった、かな? ごめんね」

1年1組の最後で、もう既に他の人は召喚し終わって、自分の使い魔に夢中だったため、目立たないだろうと、声をあげてしまったがまずいことになった。

「すげぇ ドラゴンじゃん」

と、1人近ずいてきた鷹のような使い魔を連れたそいつは挑発するかのように

「さぞ良い成績だったんだなぁ〜」

などと、言いながら挑発的に笑いかけ

「折角だし、勝負してくれよ」

かちん、と来た。逃げようかと思ったがそんなのはもうやめだ。

「魚だと思ってなめてるなら返り討ちにしてやるよ」

今年の1年生初めての勝負は入学式から始まった。

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