第22話 またまた志垣家

夏休みに入った7月、梅雨が終わり太陽がジリジリアスファルトからはユラユラ陽炎が見える、夏本番。

カナはユウキの夏休みの宿題の進捗状況の確認と、午後からの野球部の練習に向かうユウキの為に、涼しげな素麺を作って一緒にお昼御飯を食べていた。

テレビではM氏の映画が興行収入1位をとったことが流れている。

「カナ、ミス研でかなり話題になっているらしいよ。成田がある生徒が今回の件を推理したってミーティングで発表したから。

カナって意外に向いているんじゃないか、推理すること。」

「今回はたまたま知っていただけ。

でも、地元に、しかも私達の学校に素敵な絵があるなんて誇らしいよね。ユウキみた。あの絵」

「みたよ!

キャンパス一面に描かれていたのは空!

深くそしてどこまでも続く。まるで未来へむかっているみたいだったな。」

「私、感動した。

そして、ユウキが野球の試合してる時の空と一緒だなって。

甲子園予選頑張って!私全力で応援するから。」

「おう!試合頑張ってくるわ。」

ユウキは夏空のなか、駆けていった。

その年、学校創設以来初の甲子園出場を果たした。ユウキは学校の地元のエースとなる。

カナの自慢の幼馴染になった。


でも、俺からみたら推理するカナはカッコいい探偵で自慢の幼馴染だけどな。なんて本人には言えない。


続く。




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