第9話 アイドルに会いたい●C案
アイドルに近づく為にフロー作成をした。アイドルと接点のある業界に入るのが良いのではないかと。どの業界に入るか、どうしたら入れるか、幾つか検討してみる。
○●○
C案●アパレル業界。
アパレル関係の会社に入るとコレクションで、モデルとしてアイドルが来るかも? もしくは雑誌の撮影でスタイリストとか……。
打ち合わせや現場で一緒に作り上げる仕事、密着度は中々と予測。
その為には? お洒落研究を始める。
まずは雑誌購入でファッションとメイクの研究と練習をしよう。
同時にファッション雑誌の研究もする。時々アイドルが載っているし、ファッション雑誌の編集者という手もありかも。
○
ファッション雑誌でも音楽や本を紹介している。音楽情報誌と違って、一つの作品だけを紹介しているので印象に残りやすい気がする。
そういえば以前何かの本で、音楽が好きだと自然とファッションやライフスタイルにも気を回すようになるという記事を読んだ事がある。こういう事かぁ。
○
毎週発売の雑誌に、私の好きなアイドルの連載が時々載っている。
不定期連載なので立ち読みでチェックしている。今号は【女性のファッションで好きな所は?】だった。
私の推しメン一条君は、スカート丈は断然ひざ上が好み! と言っていた。
私は今後、そうする。これを読んだ一条ファンはすぐにひざ上丈のスカートを買いに行くのだろうか。販売数を左右するアイドルのコメント威力。
○
私の私服といえば、ゆるめシルエットのズボンにボーダーや水玉のブラウスといった、いわゆるカジュアル・無難の部類になるのだろう。
着ていて楽な服が一番かなぁと思っていた。ファッション雑誌や街を歩く人たちのファッションをよく見てみると、気持ちに変化が生じた。
今まで本当は着たかったけれど、恥ずかしくて着れなかった服を買ってみる。
幾何学模様のノースリーブワンピース(ひざ上丈)だ。
こういう服って、男の人が隣に居る時に着るものだと思い込んでいた。
それだと、いつになったら着れるんだ。一人で着たっていいじゃないか(勿論だ)
私は今、殻を破る時期なのだ。着たい服も着れずに、アイドルに会う事なぞ出来るのか。
着たい服を着ないのに、アイドルが好きだと云えるのか。もじもじしたくない、卑屈になる事はない。
思い切って試着した。似合っていたので素直にそれを受け入れて会計を済ませた。
○
メイク技術をどうしようか。今までの私は、とりあえずUVカットを塗っておけばいいだろう位の気持ちだった。
周りの子に何気なくメイクの話題を振ったり女優やモデルの顔をよく見るようにした。
化粧品売り場のカウンターに行く経済力は無いので、ドラッグストアのテスターを試しまくった。
職場の女性の顔をよく見ると、アイシャドウをさりげなく塗っている子の印象が、良い。
わずかに影を落とすようなブラウンや、少し気怠い印象を与えるレッド系が好感だった。
早速真似をしてみる。やってみない事にはどうにもならない。
しかし服と違ってメイクは施してしまったらその日一日、その顔で過ごさねばならない。
勿論最初から上手くいく筈もなく、初日はブラウンのアイシャドウを塗りすぎて、これならアイライナーを一本引けば良かったんじゃないかという失敗。
毎日アイシャドウを変えるので、気になるのは周りの反応だけれども、実際そこまで他人のメイクを細かく見る人なんて居ない筈だ。ちょっと印象が違うな、位だろう。
○
色々試してみて、自分に一番合っているのはいわゆる【ナチュラルメイク】なのだろうかと思い始めている。それとも単にその状態の顔を長く見ていて、馴染んだだけなのだろうか。
いずれにしても、あんまり気合を入れてアイテムを使うと落とすのも大変なので、ナチュラルメイクに落ち着くのだろう。落ち着きたい。
ファッションは、カラフルな模様のワンピースやらブラウスやら一条君の好きなひざ上丈のスカートやらOLぽいズボンやら、着たい服を次々と試している。
最初は抵抗があった服も、着てしまえば何てことなかった。
人は、知らないもの解らないものを恐れるっていうのは本当なのだと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます