【読者への挑戦】

　さて、皆さま、解決への手がかりは全て出揃いました。

　という例の文。

　基本的に読者と作者のかかわりは物語を通して行われるものであり、前書きやあとがきに少し顔を出すことはあっても、こうして【読者への挑戦】として間に作者本人の文章が挿入されるのは、ミステリのみと言っていいのでしょう。

　ただ今更、こんなにも仰々しく【読者への挑戦】を差し挟むことは、時代遅れも甚だしいかもしれません。

　だからこれは【挑戦】というよりは、お願いのようなもの。

　「タイトルの伏字はなんなのか？」

　真相が明かされる前に、作者の想定と合致できるのか。少し立ち止まって考えていただくのも一興。

　作品を真に完成させるため、あなたの頭脳をお貸しくださいませ。

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