後編 ヤンデレな美魔女

 俺はちょっと信じられない。ひょっとしたら何かのどっきりか? ほら、テレビでよくあるじゃん。どっきり番組とか。しかし、俺は一般人なんだけどね?


「晩ごはん、どうしようか☆」


 美人がそう言った。相変わらず俺の腕に手を回している。えっと、どうしよう?


「どうしよう? ところで、貴女の名前はなんですか?」


「え? ヤンデレな美魔女って呼ばれています☆」


 ヤンデレ? 美魔女?

 あ、なんかヤバそう。

 俺は逃げようとした。

 しかし、彼女は俺の腕を異常なまでに握りしめている。


「ひっ」俺は思わず声にしてしまう。


 美魔女と目が合う。ニヤリとする美魔女。

 俺は逃げようと走った。しかし、美魔女も一緒に走る。俺はなんとかして美魔女を振り払おうとすること一時間。俺はゼイゼイ言っている。しかし、彼女は息切れひとつしない。


 ヤバいことになった。


「ねぇ? 晩ごはんはどうしよう?」彼女はネコのように甘い声で言った。


「とりあえず、探すから離して?」


「うん、いいよ?」


 あれ、離してくれた?

 俺はダッシュで走った。

 自宅へと駆け込んだ。

 助かった? 警察に電話しないと!

 しかし、電話が繋がらない。


 ドン! ドン! ドアを叩く音が。


 ヤバい、俺はどうなるんだろうか?

 俺はダッシュで窓に向かう。ここは二階、飛び降りて脱出しないと! 下には誰も居ないな? よし、脱出だ‼️


 俺は飛び降りて足から落ちてしまった。

 しまった‼️ 動けなくなってしまった‼️


「ねぇ? 晩ごはんはどうしよう?」さっきよりも暗く低く冷たい声。


 俺は声の方を見た。


 ヤンデレ美魔女が泣いている。


 あれ、どうした?


「私のこと、キライですか?」


「う……それは」


 俺は困った。感情が揺り動かされる。

 ヤンデレ美魔女がこっちに来た。

 ヤバい!

 刺される‼️

 俺は目をつぶった。


「私と晩ごはんを食べるなら助けてあげる」


 え? どうしよう?

 俺は目を開けて彼女の顔を見た。もう、すぐそばに居た。手を差しのべられた。えっと、実はいい人?


 俺は彼女の肩を借りて立ち上がる。


「ごめんな……」


 俺の一言にヤンデレ美魔女だと名乗った彼女はニコッとする。

 どうしよう、可愛い……足がいてえ!


「大丈夫? 病院に行く?」


「うん、ゆっくり行こう」



 あれ、なんでこうなっているんだろう?


 まあ、いっか?



(終わり☆)

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ヤンデレな美魔女はキライですか? 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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