ヤンデレな美魔女はキライですか?

野口マッハ剛(ごう)

前編 出会い

「あの、落としましたよ?」

 そのキレイな声で俺は振り返った。

 目が合う。そこに立っているのは、見た目の若い女性、そして手には俺のハンカチが。

「あ、ありがとうございます!」俺は一目惚れした。

 けれども、街中のど真ん中、相手は見知らぬ女性、俺はハンカチを受け取るとスタスタ歩く。

 でも、美人な女性だったな。

 若そう。

 俺は一目惚れの相手をその日の内に忘れていた。


 次の日に俺はアルバイトに行った。それから仕事を終えて、また街中をブラブラした。

 そう言えば、昨日はここでその女性にハンカチを拾ってもらったんだっけ?

 今は夕方、街中のど真ん中に俺は居る。


「あの!」


 そのキレイな声に俺は聞き覚えがあった。

 振り返った。そこに昨日の美人が居た。

 俺は心臓が高鳴った。

 美人が近付いてくる。俺は少し怖くなった。

 なぜ? わからない。

 俺はスタスタ逃げるように歩く。


 次の日もアルバイト。毎日変わらない仕事。俺は仕事を終えて店から出た時だ。

「あの! 美魔女はキライですか?」

 えっ、俺は視線を声のする方へ向けた。

 そこには、あの美人が居た。

 えっと? どうしよう?

「こんにちは?」俺は驚きのあまりに挨拶をしてしまう。

「こんにちは! ここでアルバイトなの?」ニコニコしている美人。

「えっと、はい」俺はついついワケもわからないで答えてしまう。


「私とデートしない?」


 え? でも、俺はこの美人のことをよく知らない。しかし、見つめられるうちに俺は判断力が鈍り始める。

「いい、ですよ?」俺はそう答えていた。

「やったー☆」そう言って美人は俺の腕に手を回した。

 あれ、いい香り。美人だし、まあ、いっか?



(続く)

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