死ぬために生きる私たち

干しわかめ

この紙飛行機を拾ったあなたへ

 都会の中。五階以上の建物の屋上に彼女は一人で足をぶら下げながら座っていた。

夕方でもあり夕日がまぶしい。彼女は鉛筆を取り出すとA4サイズの白紙に書き始めた。



『この紙飛行機を拾ったあなたへ

まずは紙飛行機を拾ってくださりありがとうございます。これは私の遺書でもあります。

私はこの街で生まれ、育ちました。

今は中学三年生です。中二まではバスケ部でした。

でも私は今年受験で父は

「受験は遊びじゃない。部活はやめろ。」って。だから今は帰宅部です。

確かに正しいんだけどね。

バスケは楽しい。バスケ部のみんなも好きでした。

でも、いまは私の居場所はありません。

後戻りもできません。

私はもう何もしたくないんです。ただ、それだけの理由で死にます。

くだらないでしょう?

悔いはありません。あるとしたら本やアニメが見れないことだけです。

さようなら。読んでありがとう。



追伸

これは警察等に渡さないでください。あなたに持っていてほしいのです。』


彼女は折り紙飛行機を作り飛ばす。これを読む誰かのために。



「さてと・・・」


彼女は立ち夕日へ飛び込んだ。


これは私のエゴ。くだらないほどの。

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