第3話生徒会長
先輩に追いついた僕は先輩が入って行った部屋、つまり、生徒会室に入った。
「また君ですか、その性格はどうにならないんですか?」
心地いいトーンの声が聞こえた。声の主はもちろん生徒会長だ。あ、こっち向いた。
「お、新しい顔だね。僕は柊 誠、ここで生徒会長をやってる。よろしくね。君は?」
「あ、僕は神田 碧です。勝手に会計係の副長にさせられました。」
「そっか、大変だね。それで早野さん、さっきも言った通りだから、」
なんかあっさりした挨拶だったな。先輩の扱いも何だか手馴れたものがあるし。あ、先輩がこっちに来た。
「後輩くん!君も何か言ってやってよ、こいつ全然認めてくれないんだよ。」
「後輩くんではなく神田碧です。先輩」
「なら私は先輩ではなく楓だ!」
「割って入って悪いね、ダメな理由は言ったはずだけど?」
会長は何故ダメなのか言っていたようだ……が、先輩の様子からして不満なんだろうな。
膨れっ面して『私!不満!』とばかり膨れている。
「理由はなんなんですか?会長。」
「独立がダメ。ただそれだけ。その他は自由にしてくれて構わない。仕事などはこちらから勝手に手配する。」
ちゃんとした理由があったようだ。部活を作って独立したかったのか?この先輩は。当の本人である先輩を見てみるともう顔まで赤くなってる。どんだけ不満なんだ?この先輩は。
「先輩、ちゃんとした理由もあるんですから諦めましょう?」
「嫌だ!絶対に部活を作るんだ!」
なんでそこまで部活にこだわるのだろうか、僕にはわからないな。
「いや、独立したらダメなだけで、形だけの部活ならいいんじゃないんですか?」
「あ、それならいいよー。」
会長が入ってきた。なんかほんとに緩い人だなぁ。
「ほら、先輩。会長もああ言っているので」
「私は部活を作るんだァァァ」
先輩が走っていった。全力疾走だ。……廊下走らないで、危ないから。
「あー、会長、突然失礼しました。僕は戻りますね。」
「あぁ、また何かあったら来るといい。またね、」
なんかこの人には違和感を感じるが、とりあえず部活作りに失敗した先輩を追いかけることにしよう。
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