第2話そうだ、部活を作ろう。

その日もまた呼び出された。誰に呼び出されたかは一目瞭然だ。あの先輩だ。

僕は軽く扉をノックして入った。


「失礼します。わざわざ呼び出して、なんの用ですか?」

「お、よく来たな!そこに座りたまえ。」

「はぁ、無視ですか、そうですか。」


相変わらずの先輩だ。出会って二日目だがこの人について何となくわかった気がする。


「さて、今日の議題に入ろうか。」

「そうですね、議題は僕の処遇ですかね?」

「それは昨日決定で終わった。今日の議題はこれの部活動化だ。」


僕の処遇は知らない間に会議をしていて、なおかつ勝手に決まってたらしい……身勝手すぎる。


「はぁ、僕は副長で決定なんですね……」


もう……諦めた。抵抗するだけ無駄だ。


「さて、議題の件だが、部活を作ろうと思うのだけど、どうかな?」

「どうかな?と言われても、理由も何も知らないんですが、」

「理由は会計係なんてダサい!ダサすぎる!だから財政部にする!それだけだよ?」


うわぁ、さすが先輩、理由も簡単でぶっ飛んでる。仮にもここは生徒会の部署だよ?それを部活しようってどうなのさ。


「どっちでもいいんじゃないですか?」

「そうか、私は賛成だ。よって賛成2票で決定だな。」


2票ってなんだ?どっちでもいいって言ったら賛成派に回されたのか?


「あ、私自身が2票分ね?君のはカウントしてない。」

「あー、そうですかー。」


最初から決まってた挙句、僕の存在意義すらなくなった。……これ、僕必要?


「さて、この結果を生徒会長に言いに行くか!ほら、一緒に行くよ!後輩くん。」


勢いよく立ち上がり、そのまま走っていった。一緒にって言葉知ってるのか?あの先輩は、先に走っていったんだが。

僕の日常はどうなるのだろうか、そんなことを思いながら、僕は先輩を追いかけた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る