ハチャメチャ彼女と普通な僕

青藍

第1話自己紹介

「えっと、ここはどこなんでしょうか?」


校内放送で呼ばれてきてみれば、よく知らない教室だった。中には先生がいる訳でもなく、ただ1人の女子生徒がいた。


「ん?ここは教室だぞ?」

「それくらいはわかりますよ。何故自分がここに呼ばれて、あなたは誰なんですか?」

「うむ、なら軽く自己紹介といこうか。」


目の前の女子生徒は軽く咳払いし、はりの効いた声で言った。


「ようこそ!会計係用教室へ!私は高校2年早野楓だ!よろしく、後輩くん。」


このハチャメチャな女子生徒は早野楓というらしい。


「よ、よろしくお願いします。自分は神田碧といいます。」

「知ってるぞ、後輩くん。なにせ私が自ら選んだのだからな!」


何か知らないが僕はこの先輩に選ばれたらしい。


「あの、僕は何に選ばれたのですか?」

「君は会計係副長に選ばれた!おめでとう。あ、拒否権はないから。」

「………………」


拒否権はないらしい。なんてパワハラだ。訴えてやりたい。

しかし、なんで僕なんだ?面識すらない自分が選ばれる理由がわからない。


「ん?不思議な顔をしてるな。どうせ選ばれた理由とかそんなことだろう?」

「えぇ。まぁ、はい。」

「適当に選んだ。以上!」


もう言葉が出ない。驚愕というかもはや呆れだ。目の前の先輩は何を言ってるんだ?という呆れ。


「よし!自己紹介も終わったし今日は解散!詳しくは明日だ!では、また明日!」


先輩は出ていってしまった。っていうか、帰ってしまった。まるで嵐だ。言いたいことだけ言ってどっか行った。……ってか廊下走るなよ、一応生徒会だろ。


「はぁ、とりあえず帰るか。」


複雑な気持ちのまま、僕は帰路についた。

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