第8話 水球、そして

痛いまでに鳴り響く蝉の鳴き声の中をスズキは自転車で駆け抜けていた。高校最後の夏、水球インターハイ県予選2回戦で敗れたスズキは焦っていた。今まで、高校生活の全てを水球に捧げてきた。入学式直後に行われた部活説明会で、なぜだかわからないが、水球部に強く心を惹かれた。かっこいい先輩がいたわけでもなく、かわいい女子に惹かれたわけでもなく。これだ!とスズキの直感が訴えて来た。全くの未経験者で、どちらかといえば水泳自体が不得意だったが、スズキは水球部の門を叩いた。

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