第9話 おはじき
新入部員はスズキを含めて7名だった。男子5名、女子2名。スズキ以外の新入部員は皆、水泳部あがりだった。自由形の県選抜から、バタフライ世界ジュニア選手権日本代表選手までいた。なぜ、競泳の道を進まず、水球の道を選んだのか。甚だ以って理由がわからない者たちが集まっていた。しかも皆、ドチャクソイケメンと美少女ばかりだった。男子4名は後々なんとかフォーと呼ばれる存在になり、女子2名は紅天女を争うことになる二人であった。都会の私立高校メジャースポーツ部ならばいざしらず、ここは田舎の公立高校どちらかといえばマイナースポーツ部である。
なんでこんなことになっとるん?節子、それドロップやない、おはじきや。おはじきだったはずのスズキは今、ドロップ達に囲まれている。節子は喜んでいるであろうか。お兄ちゃんはおはじきだと言っていたが本当はドロップだった。節子はペロペロと舐め回す。このドロップ達を。そしていつか気づいてしまう。ひとつだけドロップではない、おはじきが混ざっていることに。キラキラと眩しいドロップの中に、くすんだ色のおはじきがあったことに。
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