14.ごきげんよう(5歳)

ふぅ、王様との謁見も終わったし、お父様の執務室にいても暇だしで、廊下出てきたけど、やっぱり結構長いねー


ところどころ絵が飾ってあるんだけど、全部高いんだろーな…。花もちょー綺麗。


お父様の執務室も結構オシャレだったし、扉の前も衛兵さんが立ってた。


こーゆーとこはほんとに王宮らしいよね…変な人多いけど、


やっぱり長いわー、廊下…

窮屈なドレスで歩いてるから余計疲れるし…

そろそろお父様の執務室に戻ろー。




「おい」



「おい、お前。止まれ。この俺と遊ばせてやろう。嬉しいだろう。」


ん?なんか聞こえた気がする…

でも、まぁ、私はお前って名前じゃないし、別に遊んでもらわなくていいし、嬉しくもないから人違いだよね。

それに、もし私に対して言ってたとしても、そんな人知らないし、話す必要ないはず。

変な人には近づくな、ってね。

よし、気づかなかったフリしとこー。


「おい、そこのお前。フリフリのチビ。分かってるんだろう。無視をするな。この私を無視するなど礼儀知らずなヤツめ。こっちに来い。」


はぁ?意味わかんないんだけど、何こいつ。

しばいていい?

誰がフリフリのチビよ!

あんたの方がチビじゃん。

売られた喧嘩は買っとく?


「すいません。お前などという言葉が私に向けられたものだとは気が付きませんでした。それに、初対面の人に対し、お前だの、チビだの言う人に礼儀知らずとは言われたくありませんわ。自分の言動を振り返ってみて発言されたらいかがです?あと、残念ながら私の方が身長は高くてよ?私がチビならば、あなたはどうなのでしょう?」


ふぅ、めっちゃ言っちゃったー。すっきりーー!かなり毒混ざってる気がするけど、大丈夫かな?


うん。大丈夫じゃなかったーーーー!!

めっちゃ、泣いてる…どうしよ、泣かせた…

え、やば、大人げなかったかな…?


「ごめんなさい!!泣かせるつもりじゃなかったんです!泣き止んでください!」


お願い!泣き止んでーーーー!!


「すいません。うちのばk…いえ、お兄様がご迷惑をおかけしました。お兄様、今度は何をしたんですか!!ってゆうか、なんで泣いてるんですか!もーーー!!」


なんか、可愛い救世主が来た…

妹さんかな?


「ごめんなさい。私が泣かせてしまったんです。少しキツイことを言ってしまって…あ、私、ホイッスラー家のシルヴィア・エル・ホイッスラーですわ。どうぞよろしくお願いします。」

「シルヴィアって言いますのね!シルヴィーとお呼びしても?私、マリリーズ・リヒト・ジェフロアですわ。マリーとお呼びくださいませ。こちらこそよろしくお願いしますね。あと、こちらの泣いているのが…」

「マリーの兄のウィルフレッド・ソル・ジェフロアだ。ウィルでいい。よろしく頼む。シルヴィー、俺は泣き虫なんかじゃないからな!」


マリーか…マリリーズ・リヒト・ジェフr…

ジェフロア!?


「大変申し訳ありません!マリリーズ様、ウィルフレッド様!ウィルフレッド、泣かせてしまいすいませんでした!」


やっべーー!

王族に喧嘩売っちまったーー

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