13.偉そうなおっさん(5歳)

「すみません。部屋を間違えました。失礼します。」

華麗に一礼してお父様の腕を引っ張って部屋から出た。今までで1番綺麗にカーテシーができた気がする。



いやー、あのおっさん誰なんだろうねー。

よく来たなってどっかの悪役みたいだ。

悪役令嬢である私以上に悪役してる笑


なんか変な仮面付けてたし笑

オペラ座の怪人かっ!って感じだったなー。

それが余計に不気味だった。


それになんでお父様と私の名前知ってるんだろう。変質者かな?


ってゆうか、ここどこだろう?んー。とりあえず、進むか!!


あ、お父様引っ張ったまんまだ!!



「お父様、申し訳ありません。では、王様の元へ行きましょうか。」


ん?


「お父様?固まってどうなさいましたか?王様の元に早く行きましょう。不敬になってしまいますよ?王様はどこにいらっしゃるのですか?」


グイグイ服をひっぱるのは行儀が悪いけど、早く行かないとだし…

ほんとにもー、お父様早くしてーー


「あ、あのだな、シルヴィー。1度落ち着きなさい。先程部屋に人が居ただろう?あれが、王だ。」

「…へ?ふぁ?…どういうことですか?え、私、王様に失礼なことを…今すぐ戻りましょう」


やば、あの仮面のおっさん王様だったんだ。

口が裂けても不審者だって思ったなんて言えないよ…


王様何してんのよ。

この国の中枢にいる人変な人多すぎない??

親バカなお父様・お母様に仮面の不審者だったり…


とりあえず、行きましょうか。

ちゃんと謝らないとね。誠心誠意



……………



「先ほどは失礼しました。私、ホイッスラー家長女のシルヴィア・エル・ホイッスラーと申します。以後お見知り置きを。」

「よいのだ。仮面を被って驚かそうとした私が悪い。私はジェフロア王国国王のジルベルトだ。先ほどはすまなかったな。」

「ジルベルト、王たるものそう簡単に謝るでない。示しがつかんだろう。それで、この可愛い子が私の娘のシルヴィアだ。親の私が言うのもなんだが、かなり、優秀でな、将来有望な娘だ。」


お父様…王様相手に私をプッシュしてどうするんですか…

ってゆうか、王様相手に口調気軽すぎません?あ、でも、そういえば従兄弟とか言ってたような気もせんでもない…


「ほう。シルヴィアはそんなに優秀なのか。それならばバーナードの溜まった仕事の手伝いでもさせたらどうだ?」

「ジールーべールートー?仕事を溜らせているのは誰だったかな?誰のせいで私がこんなにも仕事が溜まっているんだっけ?」

「すまない、バーナード。ちょっとだけ頑張る。」

「ちょっと?」

「いや、すぐにいっぱいしてくる。それじゃあな、シルヴィア!バーナードをどうにか落ち着かせてくれ!俺は逃げる!シルヴィアにも城の入城許可証を作らせよう。いつでもくるが良い。それと、夜会デビュー楽しみにしているぞ!」


逃げた。王様逃げた…


でも、城の入城許可証は嬉しいなー!

結構可愛かったんだよなー。あれ。


お父様を落ち着かせろって言われてもなー。

なにか手伝うことあるかなー?

計算と文章をまとめるのは得意だから、書類仕事かな…?


「シルヴィー、とりあえず私の執務室へ行こうか。もう少し時間がかかりそうだ。しばらく私の部屋で待ってもらうことになるが良いか?」


よし、じゃあお父様の執務室へレッツラゴー!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る