第4話 謎のLINEユーザー その2
冷静に考えていこうではないか。
まず、ネットのリンクをクリックしただけで名前や電話番号が相手にバレるというのはどういうことだ?
俺もパソコンに詳しいわけではないが、少なくとも普通では考えられない事だということはわかる。
考えられるとすれば、ウイルス感染か。
すでに俺のパソコンはウイルスに感染していて、個人情報がダダ漏れになっているのではなかろうか。
あるいは、誰かのイタズラという線も。
元から俺の個人情報を知っている誰かが、俺を怖がらせようとして俺のパソコンに嘘の広告画面を表示したのではないか。
ウイルス感染説は、ネットをやっている限りあり得ない話ではない。
誰かのイタズラという線も、無い話ではない。
どのみち俺のパソコンはウイルスまみれで個人情報が垂れ流しになっているか、ハッカーにハッキングされまくって丸裸の状態なのでははないかと推測する。
しかし謎のLINEユーザーの目的がわからない。
俺の個人情報を取得して、いったい何を企んでいるのか。
しかも俺が怒ったらすぐに謝ってきた。
悪気はないようにも思える。
単なるイタズラなのか?
それとも、本当にバイト募集が目的なのか?
時給二五〇〇円?
日本の法律や常識に疎い、って、外国人か?
とりあえず、相手の正体が不明だから不気味なのだ。
少し迷ったが、これが最後のメッセージのつもりで返信してみる。
◇『俺の個人情報把握してるし、誰だかわからないし、不気味なのでこれ以上連絡してこないでください』
すぐに既読がつく。
そして十数秒後に再びメッセージ着信。
◆『タカハシさん、自己紹介が遅れて申し訳ありません。
地球人類研究所日本支部IT開発課 針山虫郎 と申します』
◆『タカハシさんの個人情報を無断で取得したことについては、本当に失礼な事をしたと反省しております』
◆『テストプレイヤー募集の件で、どうしてもタカハシさんにご協力いただきたく、ついつい先走ってしまった次第です』
◆『つきましては、お話だけでも聞いていただけませんでしょうか?』
届いたメッセージを眺めながら、これからどうしたものかと考える。
俺の個人情報を悪用されたら困るが、まぁ、なんだか反省しているみたいだし、もう<ブロック>して無視すればいいか……。
ハッカーだかなんだか正体はわからんが、これ以上深入りするのは危険だろう。
お遊びは終了だ。
ブロックしよう。
しかし<ブロック>をしようとした直前に、着信音が鳴った。
今度はまた電話だ……。
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