第3話 謎のLINEユーザー その1




 しばらくの間考えた結果、好奇心が勝った。

 謎のLINEユーザーに対して、ブロックは後回しにして、返信してみることにした。



◇『とりあえず、どうして電話番号がわかったんですか?』



 と入力して、少し迷った後に送信した。


 送信後、すぐに既読がつく。

 それから数十秒ほどして、新たなメッセージが届いた。



◆『突然のお電話、大変失礼いたしました。

 びっくりされたのならお詫びいたします。

 当方はIT関連の先進技術が売りでございまして、タカハシさんのパソコンから私共にアクセスをいただいた瞬間に、タカハシさんの登録電話番号はじめ、ご住所生年月日なども取得させていただきました』




 怖いというより、ちょっと頭にきたので返信することにした。


◇『どうして俺の名前までバレてるんですか? 

 電話も住所も生年月日もって、ようするに俺のパソコンをハッキングしたってことか? 

 先進技術かなにか知らんが、個人情報保護法違反だろ? 

 犯罪ですよ!』



 今度のメッセージも送信後すぐに既読がついたが、新たなメッセージが届くまでに先ほどよりも時間がかかった。



◆『大変申し訳ありません。

 ただ今上の者と協議しておりました。

 実は担当者の私の一存で、タカハシさんの個人情報を取得・使用させていただいた次第です。

 私共は日本国内の法律や一般常識に疎いもので、アクセスしたデータを元に個人情報を抽出することがそこまで失礼な事とは知らずにやってしまいました』







 ここまでの出来事を少し整理する必要がある。

 俺はしばらくLINEの返信を放置して、スマホの画面を睨みながら腕組みして考えた。



 ①:ネットを見ていると突然テストプレイヤー募集という怪しいポップアップ広告が出現した。


 ②:広告をクリックしただけなのに、直接電話がかかってきた。


 ③:電話を無視していると、名無しのLINEで連絡をとってきた。


 ④:相手は、ネットに一度アクセスしただけで、瞬時にして俺の名前と電話番号を把握した(と言っている)。

 住所と生年月日もわかっていると言っている


 ⑤:プライバシーの侵害だと怒ると、すぐに謝ってきた。

 日本国内の法律や一般常識をよく知らなくて、と言い訳をかましてきた。




 現在、⑤の時点で謎のLINEユーザーとの交信は一応止まっている。



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