第26話「ドラグニア帝国の脅威と……」
Side 日本 航空自衛隊 レイヴン1 川西 幸斗 一尉
列強国と言うのは血の気が多いらしい。
と言うのもドラグニア帝国が大義名分もクソもなく宣戦布告して来たからだ。
まあ大義名分なんてもんがなくても戦争は出来るからな。
第3次世界大戦(先制核攻撃からの本土進攻)の時もそうだった。
ドラグニア帝国と言うのはどう言う国かと言うと判断がつかない。
分かり易く言うなら兵士を揃えて武器を与えて殴ればいい。
そんな国だ。
第二次世界大戦レベルだが戦車や戦闘機を開発している一方で嘗てのバルニア王国のように魔法分野やモンスターの制御技術にも手を出している。
もしかすると彼達は俺達と同じく元は転移国家なのかも知れないが迫りくる敵を迎撃しないといけない。
現在俺達ジエイタイはバルニア戦のダメージが抜けきっておらず、本土も一部の人間にしか明かされてないスカイピアを警戒している。
現在俺達はガーデニア大陸極東部の国、シェリスカ王国や因縁のバルニア王国で防衛戦を行いながら外務省や法務省の努力に期待せずに迎撃戦にとどめていた。
最前線この青空の下に展開する平原に展開する大部隊の状況から察するに全く成果は上げられていないのだろう。
もしかすると殺されているのかもしれないが――
(とにかく数が多い!!)
相手の物量攻めが半端ない。
既に十万人ぐらいは殺している筈だがまだまだ攻めてくる。
だが今の自衛隊にとってこれが一番厄介なのだ。
戦車も戦闘機も破壊しおえたかと思えばドラゴンやらサイクロプスやらが現れる。
更には魔法の力を使って戦う魔法騎士やら謎のパワードスーツらしき兵器も少数ながら現れている。
戦えば戦う程に謎が深まる国である。
そして――
『見つけた!! 黒い奴!!』
『またお前か!! 今は忙しいんだよ!?』
スカイピアの白い小型の人型機動兵器。
戦闘機と人型の形態を使い分ける昭和臭漂うメカデザイン。
声からしてまだ十代半ばぐらいだろうか。
『この私、アティが相手してあげるんだから感謝しなさい!』
『知らねーよ!?』
厄介な第三勢力だ。
最近になってよく絡んでくるスカイピアの住民アティ。
甘ったるさと気の強さが混じった声色をしている。
きっと声優になれば人気が出るだろう。
などとどうでもいいことを考えながらアティと遊んでいた。
『相変わらずちょこまかと!!』
『悪いが今はドラグニア帝国の相手しているのが手一杯なんでね! また今度にしてくれ!!』
『そんな理由で――ああもう!』
自分の願いが通じたのかドラグニア帝国の空戦部隊が一部、アティの可変式人型機動兵器に襲い掛かる。
が――アティは戦闘機形態で冷静に距離を離し、高高度から再びロボット形態になって両腕からのレーザーの雨で全て叩き落とした。
(人型機動兵器――構想にはあったが……まさか可変機なんてもんを見る事になるとは)
スカイピアは侮れない技術力を持っている。
今見ているマシンの戦闘記録は貴重な戦闘データーとして上に提出しなければならない。
(ドラグニア帝国のパワードスーツ兵器も気になるし……バルニア王国の浮遊城のこともある。油断は禁物だな)
そう思い直し、地面と空を埋め尽くすドラグニア帝国狩りに精を出すのであった。
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