第20話「浮遊城撃破作戦その2」

 Side 日本 航空自衛隊 レイヴン1 川西 幸斗 二尉


 夜が明けようとしている。


 戦場へと続く空を――このガーデニア大陸で出せれるだけの自衛隊の航空機が全て出動していた。


『こちらウェザーリポート。どうにか海沿いの平原に押し留めている状況だ。イージス艦那珂は後退し、現在後退で撫子が奮戦している。陸上自衛隊も敵の追撃部隊とヘルダイバーズと一緒に交戦中だ』


『そこでだ』と前置きして航空管制機ウィーザリーポートが作戦を説明する。


『他の敵が陸上自衛隊、海上自衛隊に分散しているこの状況を利用し、敵の浮遊城を陥落させる』


 と言う作戦が告げられた。


『だが敵のバリアはイージス艦の攻撃すら弾くんだろう?』


 と、誰かが言った。


『その通りだが――バリアも無限に張れるワケではないらしい。攻撃の勢いやバリアも弱まっているらしい。』


『なんだって?』


『イージス艦や電子戦機の頑張りも無駄では無かったと言うことだ――そこで作戦だ』



 Side バルニア王国 メルシア 


 艦隊はほぼ壊滅。

 旗艦ケルベロスも少なからずダメージを負っているが日本の軍艦(イージス艦の撫子)を消耗させると言う役割は果たせた。

 

「この戦い勝ちますよね?」


 不安げに副官のリアラが言う。 

 だがメルシアは――


「さあどうかな――まさかこれ程とは――」


「もしも負けたら――」


「さあな。その時はその時だ――」


 そう言って皮肉下にメルシアは笑った。



 Side ヘルダイバーズ コールサインオメガ


 巨大怪獣――レッドドラゴンすら相手に回す程の死闘だった。

 更にはサイクロプスや敵の竜騎士団まで相手にした。


 眼前には騎士やサイクロプス、大小のドラゴンが倒れ伏している。


 それでも敵は死に物狂いで戦力を突っ込ませてくる。


 ヘルダイバーズ、そして駆けつけた陸上自衛隊も背後にいるユリシア兵と連合兵を守りながら戦った。


 遂には守られてばかりではいられないと態勢を建て直したユリシア兵と連合兵までもが参戦する程の激戦だった。


 戦車部隊や戦闘ヘリも幾ら近代兵器の優位があるとは言え数の暴力を捌くのは並大抵の事ではなかった。


 だが役割は果たせた。


 特科部隊が配置につく。


 イージス艦も撫子と後退する形で那珂が戦線復帰。

 

「航空機隊の到着を確認!!」


「作戦開始!!」


 戦闘ヘリのミサイル。

 

 戦車の砲撃。


 特科の大砲、ミサイル。


 イージス艦の全火力。

 

 全てが浮遊城に叩き込まれる。


同時に航空自衛隊の戦闘機が戦場に飛び込んでいく。

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