第2話 し
「ふぁあぁあ」
東側にある窓から朝日が射してきたのを確認し大きく背伸びをする
ベットの横にある箪笥の上から指輪をとってはめた。
「あれ?指輪なんて持ってったっけ?」
ん?んんんんー
「やらかしたー!!」
やってしまった。スペランカーになる指輪をはめてしまった。
どうしたものか…こうなってしまっては下手に動けない。
「モルに連絡しようにもペンを持ったら死にそうだし…」
なぜ二階で寝ているのか、今とても悔やんでいる。
少しの高さから落ちても死んでしまうため、下手におりられない。
だが、このままいれば空腹で死んでしまう。
「かけで一回に行くか…」
俺はゆっくりと階段をおりた。
何とか、死なずにおりてくることができたがモルのところに行くには多くの人に会う。だがそれでも行くしかないので覚悟を決めて外へ出た。
「おはようございます魔王さん」
「うむ、おはようなのだ」
とりあえず、いつも通りのように振る舞っている。
魔王たるものいかなる時も弱みを見せてはならないと思っている。
少し、急ぎめでモルの店へ向かった。
「モルはいるか?」
「どうかしたかい?あっ…その指輪つけたんだね…」
俺はこうなった経緯を話した。
「昔から変わらないな~、その指輪を外せるのは死んだときだけだから諦めるしかないんだよ。あの時僕が止めてれば…」
「モルは悪くないから気に病まないでくれ。ベットの近くに置いた俺がアホだっただけだから」
さてと、外す方法は死ぬしかないのか…
どっちみちこのままでもいつか近いうちに死ぬだろう
「なあモル?今日暇な時間ってあるか?」
「お昼休みは一応空いてるけど…」
「じゃあその時に裏口に来て5分ほど待っててくれ、そして5分経っても来なかったら俺は死んでるだろうから墓に埋めてくれ。頼む」
「うん…こうなったのには僕にも責任があるし、その役引き受けるよ。でも死なないでくれると嬉しいな…」
ほんっとこいつが男じゃなかったらどれだけ惚れていたか…
「ああ、俺も死ぬ気は毛頭ないから安心してくれ」
俺はそう言い残し自宅へ戻ろうとした。
「昨日は、いいところで邪魔が入っちまったけどな今日は最後までやるぜ」
「おい、魔王は大丈夫なんだろうな…」
「なあに、どうせこの時間にここは通らねえよ」
またあの元貴族の子供らか…
俺は目頭を押さえつつ近づいて行った。
「おまえら、まだ懲りてないんだな」
「ひぃぃ、そんなこの時間にはここは通らないはずなのに」
「そんなに自分が上でありたいと思うのか?」
「そ、そうだよ。それの何が悪いってんだ」
別に悪いなんて言ってないんだがな…それと、8.9さいの子供に伝えなきゃいけないってのがめんどいよな…
「他者をまきこんでいるのがいけない。自分の力で上であろうとしていない。
お前は第一親離れをできていない。以上のことからお前は下だ。見下されるほうだ。
お前たちが上だった時代はもう終わった、そして来ない。」
流石に始末をする気はないがちょっとした脅しで魔弾を放ったのだが俺は倒れてしまった。
「く・・・そ。こ・・・んなの・・・・で・・・」
「やあどうも、フルカ君。あっ、魔王のほうがいいかな?」
「いや、そんな事よりここどこですか」
目の前の若い男は、「言葉よりも自分の目で見たほうがわかるよ」っといい目の前にテレビを設置した。
「それで、これはどこですか…?」
「君が死んでから、2年が経った世界だよ」
見事に俺が王に就任する前に戻っていた。
「それで、端的に言おう。君はこの世界を救いたいかい?」
救いたいか救いたくないかで言えば救いたい。だが俺は死んでいる、自分の足をみれば一目瞭然だ、なんたって途中で消えてるんだからな
「救いたいと言ったら?」
「そうだね、君の魂をもとの体に戻すよ。大体あの指輪は地上にあるべきものじゃないんだ」
あの指輪が作られた経緯を教えてもらい絶句した。
神がスペランカーというゲームにはまり、自分もやりたいと言って作ったものらしい。
だが結果的には死ななかったので、ごみ箱に捨てたが底が抜けてて地上に落ちてきた。ということらしい。
「それで、戻していただけるんでしたら早くしていただけますか?」
「そう焦らないの。早いのはモテないぞ~」
「うるせえッ!」
思わずためで突っ込んでしまった。
「力が欲しくないかい?」
ふふふ、たいていの奴は欲しがるからな。これで時間を稼ぐ
「あ、そういうのいいんで早く戻してください」
「力だぞ?本当にいらないのか?」
「だからいらないって言ってるじゃないですか。大体力なんて自分で訓練して手に入れるものでしょう?」
「わかったよ…」
俺はまばゆい光に照らされてもとの場所へ戻ってきた。
「さあて、もう一回王都を滅ぼすか」
俺は肩を軽く回しながら新しく建てられた城へと向かった。
END
スぺランカー魔王 黒猫 @Yazakai
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