一区切り 4
念入りに調査をして親父の入院している病院を姉さんと訪ねる。姉さんは着替えを整理している。
「確かに大きいな?」
と言いながら手帳を開いて見ている。
「それぞれの担保を入れてどれくらい借りれる?」
「二つは地上げ中ですから担保に取らないでしょう。大きい土地は更地になっているので15億は可能かと」
「なら今の根担保で8億は出る。それで手元現金は?」
「2億残ります」
「たまには息子を儲けさせんとな。会社は娘に継がせるからなあ」
「そんな気の弱いことを言わんでくださいよ」
了解を取るとさっそく若頭とやっさんに連絡を入れる。その足で信組の理事長に融資申し込みを上げる。最近は姉さんにも仕事の流れを覚えて貰うために同行している。
帰りがけリヤカーを引いているボンを見つけて降ろしてもらう。
「少し飲むか?」
二人で飲むのは久しぶりだ。
「元気なさそうだな?」
「親父が寝たきりで本店の店員が言うこと聞かんのや。母にいろいろ告げ口してこのままやったら店から追い出される」
どうもボンは親父だけでなく母親とも旨くいってないようだ。
「これから本店に飲みに行く」
ボンにはお世話になりっぱなしだ。
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