成りゆき 2
その夜知っているのか知らぬのか、帰ってきたサエは無理やり蒲団に潜ってきて、用済みの私のものを半時間も咥えたまま眠ってしまった。どうもアヤと寝たことを知っているようだった。目の周りに涙が溜まっている。
朝事務所に行くと、姉さんが袖を引っ張って公園の片隅に連れて行く。
「夜時間あけてくれへん?」
頷くとそのまま労務者の中に消えた。サエの店なら断ろうと集金に出かける。
「なあこれおかしいと思えへん?」
裏の小料理屋で姉さんは返済表のコピーをテーブルに出す。
「100万までの小口の貸し付けやなあ。今でも小口の貸付していたのか?」
私は親分の扱う大口の補助が中心だ。
「私が入った頃小口が主流だったのよ。10年前辺りから小口を減らそうとしてきた。この町夜逃げが多く回収不能がたくさん出ていたの」
借入名があり5回くらいで返済がストップになっているものが多い。
「親分の指示?」
「いえ、前々から調べていたの。でも貸付はプロじゃないので延ばし延ばしになっていたのよ」
「負債としては金額合計でどのくらい?」
「ざっとだけど2000万くらいあるわ」
「今は小口の残高は?」
「1000万少しかな」
「決裁は?」
「ほとんど番頭の仕事よ」
「少し調べてみるから親分にも番頭にも内緒にしてくれ」
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