成りゆき 1

 やぶ医者からぼんの親父の店で、

「明日、5時に来てほしいとアヤから伝言だ」

と託された。

 早引きをしてやぶ医者の病院に着くと流し目の女アヤが旅行鞄を手に待合室に座っている。アヤは無言で立ち上がると細い路地を抜けて飛田新地の大通りで待っていたタクシーに乗る。

「ミナミの新地まで走って」

「どうしたんだ?」

「昨夜あの男がまたカラオケバーを覗いた。サエが教えてくれた」

 それだけ言うと黙りこくっている。いつの間にかタクシーはアヤの指すラブホテル街にゆっくり入っていく。彼女が声をかけて白い建物の前に止まる。仕方なく鞄を抱えて建物の中に入っていく。

 部屋に入るとアヤは蓑を剥ぐように全裸になる。だが横っ腹にはテープが頑丈に張り付けてある。

「まだ治ってないんだろ?シャワーぐらい浴びろよ」

 アヤはすでに素早く服を脱がせて汗臭いものを掴んでベットに押し倒す。

「生を飲ませて!」

 1分も持たないで口の中発射してしまう。サエよりはるかに経験を積んでいる。

「今日のは濃いよ。サエと毎日してるのでしょ?」

「いや、口だけだ」

「ひょっとして?」

と言いかけたが、私もものがまた大きくなっているのを見て今度はまたがる。

「う!」

「血が滲んでいるぞ」

「気持ちいい!これから南港まで送ってね?」

 タクシーに乗り込んでアヤは肩にもたれて何もしゃべらない。デッキの前に来て始めてにこりと笑って、

「もう2度と会えない気がする」

と無邪気に手を振った。









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