第13話 イブ目前
「あっ、冬樹プレゼントはいいよ、君といるのが一番のプレゼントだから」
ダイヤは、そう言っていたが・・・
でも、何かをプレゼントしたい。
物でつるわけではないが、2月までの限定・・・
何か形となるものを、残しておきたい。
でも、何がいいか・・・
身近に女の子が、ふたりいるが、いろいろと詮索されたくない。
火に油をそそぐようなものだ。
かとって、クラスの女子にははなせないし、男子にも言えない。
「結局、自分で考えるしかないか・・・」
ダイヤは、薄着だ。
まあ、冬の精霊だから、平気なんだろうが・・・
「何だか、急に冷え込んだな・・・」
俺は北に向かって、5回手を叩いた。
ダイヤに訊いてみたくなった。
「冬樹、こんにちは」
「ダイヤ、こんにちは」
1日会わないだけで、こうも懐かしく感じるのか?
いつまでも、冬が終わらなければいいなと、感じ始めていた。
「ねえ、冬樹、クリスマスは開けておいてくれてるよね?」
「もちろんだ。」
「ありがとう。ところで・・・」
「どうした?」
ダイヤは、にこやかに笑う。
「クリスマスは、君にとっておきのプレゼントがあるから、期待しててね」
「プレゼント?」
「うん、きっと腰抜かすよ」
悪戯っぽく笑う、ダイヤ。
楽しみだ。
【どうしたの?ダイヤ、いきなり気温を低下させて】
【ごめんね。モンド、雪の精霊であるあなたにしか頼めなくて】
【もう、大急ぎで来たんだから・・・怒られるわ、神様に】
【ちゃんと、償うから】
【で、ダイヤ、要件は何?また、いつもの?】
【うん、お願い】
【わかったわ。1回戻るから、少し時間かかるわよ】
【うん、お願いね、モンド】
ダイヤと雪の精霊であるモンドが会話していたことは、
この時の、俺は知らなかった。
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