第11話 冬到来
12月20日になった。
ダイヤの話だと、もうすぐだが・・・
訊いてみよう。
「呼ぶ必要ないよ。もう来てるから」
「えっ」
「やあ、今日も元気だね」
何だかいつもより、嬉しそうだ。
「気付かない?」
「何がだ?」
「私を見て?」
「えっ」
「彼女の変化に気付かないなんて、彼氏失格だぞ」
俺はダイヤを、まじまじと見る。
「あっ」
「気がついた」
タスキがかけられていた。
「さっき受け取ったんだよ、秋の精霊から」
「タスキを?」
「うん、寒くするよ。覚悟しておいてね」
誇らしげだな。
さすが、冬の精霊だ。
「でも、本当にタスキをかけるんだな」
「もちろんだよ」
「普通のタスキと違うのか?」
「うん、少しね」
「どう違うんだ」
「話せば長くなるよ」
「どのくらいだ?」
「10.19の有藤監督の抗議時間ぐらい」
「何?それ」
ダイヤは、しばらく考えているようだ。
そういえば、話には聞いた事あるような・・・
俺が生まれるずっと前だ。
長くなるのは間違いない。
「わかった。知らなくていい」
「うん、でもおいおい話すね」
2月までの、限定彼女のダイヤ。
それまで、少しでもお前の事が、わかればいいが・・・
「ところで、冬樹、もうじきクリスマスだね」
「ああそうだな」
「開けておいてね。デートするんだから」
「もちろんだ」
・・・って、後4日だ。
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