第2話 それぞれのお仕事
「時にダイヤさん」
「さんはいらない」
「時に、ダイヤ」
「何、冬樹」
「本当に、冬の精霊さん?」
「そうよ」
人間でないのはわかる。でも、精霊というのは疑わしい。
・・・って、人間でないことは、認めているのか?俺・・・
「もし、本当に冬の精霊さんなら、この暖冬、どうにかできないの?」
「どうにかって?」
「例えば雪を降らすとか・・・」
「できない」
「どうして?」
「それは、雪の精霊のお仕事だから」
「で、その雪の精霊さんは、今どこに?」
「アラスカ辺りじゃないかしら」
責任転嫁かよ・・・
「それでは、あなたのお仕事は?」
「気温を下げる事」
「その割には、暖かいですが・・・」
「まだ、12月じゃない」
「いえ、暦の上では冬ですから」
「暦の上ではね・・・」
やる気あるのか、この精霊さん。
「・・・で、いつになったら寒くしてくれるんで・・・」
「ちょっと待って、電話するから」
「誰に?」
「秋の精霊」
スマホを取り出して、何やら話をしている。
精霊がスマホを持つとは、時代も変わったな・・・
ダイヤがスマホを切った。
「秋の精霊さん、なんだって?」
「今、南下しているから、もう少し待ってくれって」
「どのくらい」
「半月ほど」
「そんなにかかるの?」
「冬樹、寒い方がいいの」
「うん」
「変わってるね」
いや、普通です。
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