刺す時は3・3・7拍子☆

野口マッハ剛(ごう)

元応援団員の彼女、今は……

 俺は今日もひとりの女の子につきまとわれている。俺は彼女が居るのにね。困った困った☆ 放課後は彼女と帰ることにした。しかし、もうひとりのその女の子が明らか俺たちをストーカーしている。


「ちょっと? いい加減にしてちょうだい!」そう言って怒る俺の彼女は正しかった。


「まあまあ、無視しようぜ?」俺は彼女に言った。


 しかし、いくら歩けど女の子はいつまでもついて来る。怖いなあ、俺がその女の子に甘い対応をするからかもね。


「私、アイツに話をしてくる!」彼女が激おこだった。


「まあまあ、落ち着けって」俺は彼女を説得している。


 すると、俺たちの元にストーカーの女の子がやって来た。


「あれえ? ケンカですか(笑)」ストーカーの女の子がそう言ったから、もう大変。


「てめえ‼️ 私たちになんの用だよ!」彼女は激おこプンプン丸だった。


「おい、ほっとこうって!」俺は彼女を説得し続ける。


「実は私たち、付き合っているの(笑)」ストーカーの女の子がそう言って場が凍りついた。


 え? いつから?

 横を見てみた。俺の彼女は目の色が明らかに暗かった。そして、なぜかハサミを取り出した。


「え? どうしたの?」俺は彼女にそう言った。


「私って、元応援団員なの」


「うん、知っているよ」


 次の瞬間だった。


「3・3・7びょーし‼️」彼女は大声でそう言った。


 え? なになに? どうした?


「そーれ‼️」彼女がそう言うなり、ストーカーの女の子のお腹を、ドス、ドス、ドス‼️ ひいっ‼️ ドス、ドス、ドス‼️ えっ? ドス、ドス、ドス、ドス、ドス、ドス、ドス‼️


 俺は言葉を失った。目の前には、血まみれでのたうち回るストーカーの女の子の姿が。

 そして俺の彼女はこう言った。


「私って、ストーカーが許せなかったの☆」


 言うまでもなく、俺はちょっと漏らしてしまった。

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刺す時は3・3・7拍子☆ 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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