記録

キマりまくっていたが、時間と幻覚だけを記録していたので、今回はそれを書いてみる。


0:15 12t

[これは12個のカプセルを飲んだ記録]


0:25 ハルシノゲンのアルバムを再生(ずんだ)

[ハルシノゲンは大好きなゴア・トランスアーティストだ。気持ちよく様々な幻覚を見せてくれるので重宝している。「ずんだ」と書いたのは今でも分からない]


4:15 ガンガン決まってる(ねてたっぽい)

[四時間、記録を書いてなかったが、前日徹夜していたのもあり寝てしまっていたようだ。記録していないが既に二回は嘔吐している]


4:23 空から吸われる感じがする

[これだけでは分からないと思うが、自分の身体が徐々に気体になり、天井に換気扇のようなものがあった(気がした)ので吸われていると感じた]


4:25 焦点が定まらない。モノが二つに見える。

[この手の薬は眼圧が高まり、将来白内障になる危険がある。幻覚とはまた違うが、酷い乱視のようになる。また文字などは踊り出す]


4:36 エイフェックス・ツインのアンビエント?を流してる。体が溶ける。体が液体に思える。

[エイフェックスツインとはアンビエント系のアーティスト。さきほどのハルシノゲンとはまた違う優しいキマり方をする。]


4:38 書いてるのも辛い。液体なので。

[液体になってるので記録するのが辛いのは当たり前だ]


4:40 Aphex Twinのリチャードは天才だなって思う。人を気持ちよくさせる音を作るのがダントツ。

[セロトニンが多量に出て、多幸感でいっぱいになってるのでとにかく人を誉めたがる]


4:42 ちゃんとよく聴かないと良さ分かんねえよなーこれ勿体ない

[キマってることをちゃんと良く聴くと書いているが、今思うとそれは聴いていることになってるのか?と疑問を覚える。]


4:45 普段リラックスしてると思ってるのは全然そんなことない。ここまで力を抜ければこんなに気持ちいいのか

[このような薬をやっていると、自我が消えすごくリラックスしている状態になる。身体は温泉に浸かってるようにポカポカし始め、頭は宇宙へいく。忘我という状態なのだが、どうやら自分はそこへ行きやすいらしい。昔から幽体離脱の練習などをしてきたからだろうか。アシッド系は素質がいるのだ]


4:48 目をつぶったら音が視覚化される 

PV見たことないけど、多分俺が作った方がいいと思う

[これは音に合わせて、サイケデリックな映像が頭に勝手に出てきていゆ。ものすごく美しく、たまに涙が出てしまうほどだ。良く出てくるのはナウシカの腐海のような森]


5:11 タバコを吸ってる。お茶を飲んだ。喉に水を通すのが異常に思える。

[火を取り扱うのは危険だが、タバコは頭をすっきりさせるので相性がいい。さきほどまでこの次元の存在ではなかったので、喉に水を通すことが生まれて初めての気分で驚いた]


6:47 ニルヴァーナを聞いていたら涅槃の境地についたきがした。火の鳥。赤い砂。

[みんな大好きニルヴァーナ。ご多忙に漏れず俺も大好きだ。涅槃の境地へ辿り着いたのかは分からないが、lithiumを聞くと大きな火の鳥が、aneurysmを聞くと大きな赤い砂が自分を全身埋めつくしてくれた。]


8:38 少し抜けてきた気がする。歩くとふらつく。

[コンタックは徐放剤なので、長くゆっくりと効く。大体八時間ほどで落ち着く。]


9:21 だいぶ抜けた。まだ口とか身体が本調子ではない。

[それでも身体のだるさがあり、目の焦点などは合いづらい。幻覚はもう見ない]



記録は以上だ。

キマっている間は必死に書いているのだが、スマホを操作しづらくなったり、また別次元へ飛んでいるので、多くは書けない。

こうして振り返ると、トランスがいかに幸せで楽しい時間だったかと懐かしく、また悲しくなる。

シラフに戻ると、またすぐトランスへ戻りたくなる。シラフが耐えられなくなる。自分がいる場所はここではないと常日頃から思うようになってしまう。

ただ耐性がついてしまうとキマりづらくなるので、月に一度のご褒美としているのだ。


またトランスへ戻りたい。

そう思いつつこのつまらなく、退屈なシラフを謳歌している。

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