ハルシノゲン

コンタックに含まれるデキストロメトルファンを大量に服薬すると、多幸感を得られたり幻覚を見れる。

ただし、悪心や嘔吐などもあるとのことなので少し心配だったが、そんなことなどはもはやどうでもよかった。

遊園地の開演を待ちわびる子供のように、ウキウキしながら準備を始めた。


知ってる通り、コンタックはカプセルなのでそのまま飲むと効きが遅くなる。

なのでコピー用紙にカプセルの中身を出し飲むことにした。

量は12個、6日分だ。


口に流し込み、水を飲む。

とんでもなく不味く、その時点で吐き気がした。

カプセルにすればよかったかな。などと思いつつも何とか飲み込めた。

効果が現れるまでスマホを弄る。


まとめサイトを読んで30分ほど立つ頃、いつもより笑える気がしてくる。

身体はベッドに沈み込んで、文字がユラユラと動き始めた。

これは楽しいなと思っていると吐き気が凄くなった。

ここで吐いてしまうと薬も一緒に出てしまうと思い我慢したが、どうにもそんなレベルではない。

そのとき流していた曲はハルシノゲンのLSDというトランスだったのだが、曲に合わせて身体が収縮を繰り返していた。

そのとき自分のことをオーディオだと思っていたので、曲は自分から流れていた。

胃から逆流してくる嘔吐物もリズムに乗っていたので、吐くしかなくトイレへ向かった。


ずっと寝ていたので気づかなかったが、立っていられないレベルでキマっていた。

フラフラとトイレへ行ったが、身体がまだ収縮を繰り返している。体重が100kgから20kgと収縮し、なんとかトイレへたどり着き胃の中のものを吐き出すそのとき、自分が2B鉛筆へなった。


無機物になったのは初めてだったので感動を覚えた。


ひとしきり吐き出すとベッドへ戻った。

そういえばアシッド系の薬をやった人間には分かると思うが、次元は簡単に突破出来る。


そのとき俺は四次元をプニプニと触ることが出来たのだが、普段の三次元の自分では気づかないのだが、人間は四次元の自分によって動かされている。

二人羽織のように後ろで三次元の自分を動かしているのだ。

それを気づける人間は少ないが。


さて吐き気が収まったから、ベッドで幻覚を楽しもう。

お楽しみはこれからだ。



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